この作品が、配信と劇場上映の間のビジネス的なトラブルから殆どプロモーションされる事がなく、劇場ガラガラのまま終了しかけているのは、大変もったいない。 災厄は石化の魔物ドルーン。これが不思議とコロナを連想させる。分裂増殖し席巻する絶望の黒い炎。人でも獣でもない。 分裂した5国の融和を働きかけた父は、むしろ世界の終わりの引き金を引く形になり、ラーヤも友達になったと思った子に手ひどく裏切られる。お話は信じて裏切られる苦味を、リアルに描きます。 ラーヤは、「そう簡単に人を信じる訳にはいかない」不信と失望の中にいる。 伝説の龍を復活させるも、それは期待を裏切るポンコツ。笑。 龍と龍の石をほぼ揃え王手、と言う所でまたリアルな裏切りにあい、ラーヤ自身が復讐の鬼になる。でもまた再び土壇場で、「信じて世界の復活を託す」。 なぜまた信じようと思ったでしようね？そこに考えたくなる何かと感動があります。 追記すると、アジア風の自然景観は、実写かと目を疑う精細さで、大画面で見る値打ち十分でした。