原題は「Chronicle of a Blood Merchant 血を売る男」なので、この『そして父になる』的なタイトルはどうなんでしょう。インパクトに欠けるし内容とも少し異なります。 しかしながら主演で監督のハ・ジョンウ、ここまでコミカルな演技をするのは珍しいし新境地開拓といった感じも受けますが流石の超演技派！シーン毎の見せ場を(自らの手で)グイグイと盛り上げるのは大変お見事。何よりも大ヒットドラマ『シークレット・ガーデン』のハ・ジウォン演じる妻役はとても可愛らしく、いつもの"何でも同じ演技の全部棒読み(失礼)"で無かったのも忘れてはならない。30代後半で町娘を演じられる美しさもあるし。それにしても子役の演技力....噂の息子役のナム・ダルムは現在18歳キュートに成長してますので今後の活躍に期待大です。 さて、映画は全編が『Always三丁目の夕日』みたいな色合いとカメラアングルで構成されていて、画面のワザと古っぽく加工したノスタルジーと繰り返されるクラシカルなBGMが気になり始めるとやや興醒めですが、話の内容はとても分かりやすいのでラストまで楽しめます。時代背景は1950年代〜1960年代の韓国、売血の歴史を頭に入れてから見てもイイかもしれません。 同系列のファミリー物語ならば個人的には『国際市場で逢いましょう』の方が圧倒的に好きです。 エログロは無し、 誰でも見られますがご家族をお持ちの方向け。 ハ・ジョンウのオススメ作品は『哀しき獣』 ダークで笑わない役どころが素敵です。R-15