
Balloon Flowers

더 페이버릿: 여왕의 여자
평균 3.5
イギリスの学校でも殆ど扱われることのない、最後のイングランド王国の君主アン王女と、彼女を操る幼馴染のレディ・サラ、そして失った地位を取り戻そうとする没落貴族アビゲイル、この3人の女性を描いた歴史映画。 この映画一番の魅力は、世間からのイギリス王室のイメージとはかけ離れたドロドロな人間ドラマを赤裸々に描いているところ。時代考証を無視した現代のダーティーなワードの連続。上品な宮廷のレディたちの罵り合いは、そんじょそこらの歴史映画とは一味も二味も違う。(まあ実際の宮廷はこんな感じなのだろうけど) サンディパウエルの美しい衣装やセット、照明を使用しないなどのこだわりもさることながら、全てのシーンを広角レンズで撮るなど、イギリス王室の一時代を全く新しい視点で描いている。独特な魚眼のような映像や、物凄く読みづらいスタッフロールが何を意味しているのかは、映画の中のアン女王を観ればわかるだろう。 元々変わった映画ばかり撮っている監督だが、イギリスの歴史に馴染みがあるわけでもないギリシャ人の監督だからだろうか。どうしてこんな愛憎劇が今まで注目されなかったのか不思議である。 全く異なる3人の女性を演じたコールマン、ストーン、ワイズの演技(特に表情)はとても生き生きしていて、女性は共感でき、男性は恐怖を感じるような演技だったと思う。三者三様、それぞれの人物にそれぞれの魅力があった。 18世紀を描いた本作で現代のダーティーワードが使われているのは、いつの時代も男はセックス、セックス、セックス、時々政治、女はその時代に適応し生き残るのに必死だった、人はいつの時代も変わらないということを象徴しているようだった。 物語にはなんのカタルシスもなく、見終わっても清々しい気持ちにはならないと思う。かといって、とことん崩壊するようなある意味清々しい展開にもならない。ランティモスのファンなら間違いなく鑑賞をオススメするが、大衆受けを狙った映画でないことは確かだ。