昔「アンノウン」というサスペンスがありまして、工場で目を覚ました男女が特殊ガスを吸い込んだために記憶をなくしており、疑心暗鬼になりながらも真相を探っていくという話だったんですが、今作は完全にそれと同じです。 ところが残念なことに、サブタイを見ると何がこのディストピアな世界で起きているのかは簡単にわかってしまいますので、配給会社も客引きの為とはいえもう少し他の方法がなかったのかと思います。 話の大きな謎は登場人物が一体何者で、どのような人間関係であったのか？を主なポイントとして、過去の回想を交えながら解き明かされていきます。しかし、あまりに展開が遅々として進まず、肝心のミステリ仕立てである構成も興味を惹かない退屈さです。 事の真相に関しても大方の人が予想した通りで意外性もありませんので、このストーリーにするのであれば観客をあっと言わせる何かがないと満足はしてもらえないです。そのアイデアが上手く浮かばなかったんでしょう、いまいちな出来になってしまいました。