やばい。シーズン3は1・2と異なり整然とし昇華した。スタッフが変わった？何よりエリオットと父親(mr.robot)が昼と夜別々に規則的に現れる様になったところに整然さが象徴されている。カメラも脚本も構成もメイクも音楽も演出も全て整然とし技術面も洗練された。特に5話はカメラを回しっぱなし(若しくは回しっぱなし風の編集)で撮影されており圧巻。鳥肌物だ！緊迫感や息遣いまで伝わった。私を掴んで離さなかった。それに、今更気がついたエリオット以外にも多重人格の(若しくは1人で意図的に２つの人格を演じてる)人がいた。何度か見て初めて気がついた時はゾワっとした。シーズン4で明らかになるのかな。なんか凄いこれ。 ストーリーも個人的な恨みから、911の陰謀説を裏付けるかの様なミサイルが飛ばない国家間の戦争が裏側にあったと言う壮大な背景に変わる。地球だけが世の中に存在すると思っていたら、実は地球は宇宙の中の１つだったと言う感じに物語の仕組みがグーンと広がった。911の裏側がこの通りではないかと思わされる程リアル。 私のツボは、エリオットが妄想か妄想じゃないか自分に問いかける時に「見えていない物は何か？」と言う所。まるで市井の人々には見えていない物が沢山あるかの様。 1・2シーズンのグニャグニャしたジャンキー感が取り除かれ洗練されたシーズン3はまるで映画の様。1・2シーズンの荒削りでドロドログニャグニャしているのも良かったが、シーズン3の整然と洗練された構成にも引き込まれる。 ストーリーは1・2で飛び飛びになっていた部分を過去に遡って一人一人にスポットを当てている。何でこうなったのか、急に消えたり出現した登場人物への疑問など分からなかった部分への理解を埋めてくれる。客観的に観れる。1・2はジャンキー目線で話が進むので話に付いていくのに苦労したが、3は俯瞰で辿っているので理解しやすい。 こんな高品質なドラマを国境に関係無く観れる様になった喜びを感じると同時に、これらの恐ろしく魅力的なドラマの土俵に日本のドラマは乗れるのかと言う不安が過る。今はネットとテレビに境界がある様な事を言っているが、綯い交ぜになるのはもう目と鼻の先だろう。。。