코멘트
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    star4.5
    軽々に使うべきじゃない言葉だと思ってるけど、あえて使っちゃおう。"傑作"ですよ。でも、どういいかを言葉で説明するのが難しくて、それはつまり、映画としての純度みたいなのが高いってことじゃないかな。 戦前の広島から物語は始まり、呉にお嫁に来る少女すずさんと観客が過ごす10数年間。最初はのどかで楽しかった日常に戦争の影が差してきます。戦時下の生活をユーモラスに描き、物語にとっつきにくさはありません。70年余り前の日本人が、今とはいささか異なる信条で生きていた点も興味深いです。前半はすずさんの可愛らしい天然っぷりを愛で、後半は何度となく涙が。劇場内も笑いと涙で包まれ、いい雰囲気でした。 そもそもの物語が素晴らしいのは原作の手柄だけれど、あの高密度の原作を適切に剪定することで、映画としてずいぶんスマートになりました。その分、原作のある種の複雑さ、奥行きも失われましたが、映画としては大正解ですね。あっ、オミットされた部分は僕は結構好きな箇所だったのですが、その分、ラストに素敵なおまけが付いて、2回目を観たくなる仕組みです。これ、原作既読組は特に嬉しかったですよね。著しい都合の良さはあるけど、許せてしまうし。 作り手は原作に最大限のリスペクトを捧げ、執念を感じさせる巨大な熱量で映画にしています。例えばそれは、驚くほど違和感のないのんをはじめとするキャスト陣の声であり、原作の線を端正に拾った丁寧なアニメートであり、コトリンゴの静かに寄り添うような音楽であり、今時のシズル感はないけれど、精緻かつ柔らかなタッチの背景であり、時にドキッとする臨場感のある音であり、物語はゆったりなのに、原作のディテールをしっかりと落とし込む抜群のテンポ感であり(テンポが良すぎて一瞬混乱することも)。 戦争が愚かで悲しいことは、誰もが知識で知っています。そういうことを、手触り感覚にまで手繰り寄せてくれて、様々なことを大いに想像する手助けになる映画です。決して反戦を声高に叫ぶではなく、構えて観る映画でもない。笑えて泣けて、また笑えて、そして、"普通"であることを僕たちが考え続けるために、とても大切で重要な映画です。 うわ、すっごく長くなっちゃった、汗。。
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    私の地元 広島の馴染み深い地名、優しい言葉使い のどかな人がら、何もかもに親しみを感じます。 ただ普通に、ひたむきに 笑い、泣き、怒り、不安を感じ、明日に希望を持って日々を過ごしていた。 細やかな生活描写と柔らかなタッチが当時の人々の、暮らしの息づかいを伝えます。 全ての人が世界の片隅で、それぞれの世界の中心だった。 ただ、生きている事の、生きていた事の素晴らしさを感じて心が震えるのです。 とても、愛おしい映画です。
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    こうの史代の名前を一気に世間に知らしめた 「夕凪の街 桜の国」の拡大版とも言える本作は、 衣食住の全てを切り詰めなければならなかった 当時の生活をクローズアップし、 「戦時中でも日々の生活を楽しんでいた人達がたくさんいた」ことが ほんわかしたタッチで描かれていきます。 召集令状も空襲警報も、人の死すらも日常の風景に溶け込み、 いつ終わるとも知れぬ戦渦の中、食卓に上るのが粗末なメニューでも 他愛も無い会話で笑い合う瞬間があったのだと。 そしてその小さな小さな幸せをも、根こそぎ奪っていくのが戦争なのだと。 後半の展開には胸が締め付けられる思いがしますが、 それなのに、またすずは笑います。 周囲にはこんなにもたくさんの 「悲しくてやりきれない」ことが溢れているのに 涙が止まれば、人はまた笑うことが出来る。 笑うことが出来れば、立ち上がる力が沸いて来る。 立ち上がる力があれば、一歩踏み出すことが出来る。 そうやって当時力強く踏み出した一歩一歩の積み重ねが、 『70年間、一度も戦争をしなかった国』という 大きな誇りとなって現代へと続いているのですよね。 2016年はアニメの当たり年と言われています。 公開規模からしても、 本作が何十億のヒットになることはまずないでしょう。 しかし、それらの作品と比べても 全く引けを取らない秀作であることは保証します。 *こちらはアプリ用に作成した短縮版です。 作品の背景や関連作の紹介なども含めた全文は 以下のURLをご覧下さい。 http://ameblo.jp/sinobi/entry-12213404752.html
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