
Schindler's Memo
6 years ago

A Most Wanted Man
Avg 3.3
「渋い」の一言。 ジョン・ル・カレのスパイ小説の映画化であるが、面白いところは、欧米とイスラム過激派という構図の中に、「根こそぎ捕まえる」派と、「泳がせて大物を捕まえる」派、そしてそれに伴う「取引」を是とするか否とするか・・・という「思惑の違い」が詳細に、丁寧に描かれている点だ。 当然、欧米の諜報機関の間で会議がもたれるのであるが、これがまた大手企業の派閥争いのような戦いであり、そして方針が決まるや「絶対に失敗できない」という緊張感でミッションが遂行され、さらに裏で暗躍・・・というしびれる展開。 フィリップ・シーモア・ホフマンの主演遺作という点でも感慨深いが、女優陣も良い。 レイチェル・マクアダムスは、「パッション」での徹底した悪女から正反対のキャラである危うい可憐なヒロイン。 ニーナ・ホスは、「東ベルリンから来た女」でも見せたキツくクールなキャラの女性分析官であるが、仄かに母性を滲ませるところが実にいい。 そして、聡明なCIAウーマンのロビン・ライト。ラスト・ショットでの「眼差し」は、並みの演技力では出せないと思う。「美しい絵の崩壊」のエロおばさんとは打って変わった、超絶クール演技に脱帽。