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The Good Shepherd
Avg 3.0
原題は「The Good Shepherd」。 「良き羊飼い」の意味です。 2006年製作、ロバート・デ・ニーロ監督作品。 第二次世界大戦の始まる前夜からアメリカ、CIA誕生の秘話、そしてそれに関わる一人の諜報部員の人生を描く作品です。 実はかなり前に観たときはそこまで高く評価していなかった。 当時もエリック・ロス氏の原作を読んでいたのですが。 今回、久しぶりに原作を再読、さらに映画も再鑑賞しましたが面白い! 165分の大作も気にならないほど夢中になれました。 (観る度に変わる映画の醍醐味を味わっています。) 1961年4月、キューバのカストロ政権に対する「ピッグス湾侵攻」計画がCIA内部から漏れ失敗に終わる。 諜報部員エドワード(マット・デイモン)は若い男女がベッドを共にしている写真と音声テープを誰かから送られる。 遡って、1939年。 イエール大学の秘密結社「スカル&ボーンズ」の会員に認められたエドワード。 論文の指導をフレデリック教授(マイケル・ガンボン)から受ける。 後にエドワードはフレデリックの正体を暴きイエール大学から辞任に追いやる。 しかしその後、英国の諜報部で学ぶエドワードはフレデリックと再会。 彼は英国の諜報部員で活動していたが執行部のアーチ・カミング(ビリー・クラダップ)によって殺される。 この辺の流れはサスペンスフルで目が離せなかった。 フレデリックの個人的な嗜好(ゲイ)がリスクをもたらすとして命を奪われるとは…。 沈んだ海中に浮かぶ杖が何とも言えなかった。 さて、エドワードは英国に赴任になる直前に結婚式を挙げていた。 同じ秘密結社の仲間の妹マーガレット(アンジェリーナ・ジョリー)の妊娠の責任を取っての結婚。 エドワードが本当に愛していたのは聴覚障がいのローラだったが一緒になれないのは切ない。 それでもエドワード自身に選ばれたエリート思考とか、全てがスカル&ボーンズの人間としての愛国心に縛り付けられていたのを感じていたろうか? 諜報員として家庭を持っても秘密だらけ。 夫や父親としての役割よりも全てが国のため。 だから妻マーガレットともうまく行かず、一人息子ジュニアもなかなか懐かなかった。 神経質そうに父を見つめる子ども時代のジュニア。 そのまま大きくなって演じるのがエディ・レッドメイン。 彼までもCIAに入りたいと希望するのは必然なのだろうが皮肉めいている。 エドワードに何度も接近するのがソ連KGBの諜報部員「ユリシーズ」。 「ピッグス湾侵攻」の計画を漏らした人物をめぐってエドワードに揺さぶりをかける。 いつかこちらの役に立ってほしいとスパイになるように言われるエドワード。 彼の本当の意味の幸せは何だろうと考えてしまった。 エドワードの周りの人間も様々な運命から消えていく。 亡き父親の遺書をやっと読んだエドワードが「善き夫に、善き父親になってほしい」と書かれていた文をどんな気持ちで読んで燃やしたのか。 すでにそれは無理とわかっているのだと思った。 エドワード役のマット・デイモン。 地味な服装で存在も目立たないのが良い。 そもそもCIAと言っても薄給で家庭を犠牲にする職業と言われていて、彼らは選ばれたと言う誇らしさだけで国のために生きる運命を背負う。 最初はディカプリオが決まっていたと言うがマット・デイモンで正解だと思った。 (ディカプリオ、『ディパーテッド』の撮影があると断ったらしいが、マット・デイモンも『ディパーテッド』に出ていますが~。) 私が良い羊飼いです、 良い羊飼いは羊のためなら自分の命を捨てる。 羊とは「国」のこと…。 と言うことで、原作もタイトルもストーリーも今改めて面白い作品だと感じた「グッド・シェパード」でした。