
uboshito

Citizen of a Kind
Avg 3.7
Nov 02, 2025.
韓国映画お得意の「実話ベース」ということもあって、すこぶる面白い。普通に考えたら「こんな展開、無理あるやろ」っていう部分も「いやいや、実話ベースやし」ってなるので、「マジかよ…」と唖然とする。もちろん多少の脚色はあるだろうけど、大枠の骨子が十分に「事実は小説より奇なり」の世界。 タイトルが、誰がどうみてもコメディのように感じてしまうものの、内容はかなりのシリアス。ラ・ミランとヨム・ヘランの2大女優をはじめ、刑事とのやり取りなどで笑わせてくれる部分も多いけど、内容があまりにシリアスすぎるゆえに付け足したとしか思えなかった。このドッキが「捜査」するのは(実際には捜査じゃないんだけどね)、「振り込め詐欺」の被害者と、ブラックバイト的な闇の世界を扱っており、特にこの「拉致同然に連れてこられた若者たち」の描写は深刻だった。 ラストも、実話がベースなのでハッピーハッピーではなく、しかし、主人公がもっとも大事にしているものを取り戻すというあたりも韓国映画っぽい。ハリウッド的なエンディングだと、主人公(ドッキ)と、この闇バイトの若者が再開して手を取り合って、みたいな描写がありそうだけど、そういうのは、ない。ひたすらドライに淡々と、というのはいつも通りだった。ラストのテロップの「懸賞金」のくだりで最後にまた唖然とさせられたけど… 現在日本では振り込め詐欺は、「特殊詐欺」と呼称が変わっているけれど、やってることは手を変え品を変えでイタチごっこが続いている。闇バイトも日に日に残酷さを増していて、国内の世情不安が影響しているとしか思えない。韓国もまあ似たような状況らしく、というか、韓国の方がより手口がエグい気はするんだけれども、こういう映画ができちゃうと、今度は「闇バイトに囚われている若者」の逃げ場が塞がれてしまいそうで、ちょっと心配にもなった。ただし、舞台は2016年である点に注意。ほぼ10年も前の社会が舞台なので、今と比較してどれだけ進展があるのか、両国ともに、自省を込めてこの映画を見て欲しいと思った。 【視聴:WOWOW】