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北丸

北丸

5 years ago

3.5


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The King's Choice

Movies ・ 2016

Avg 3.3

淡々と描かれる「あっという間に戦争状態」というのが、空恐ろしい映画。 おそらく史上稀に見る「国民から招かれた国王」としての主人公の矜持、節度にグッとくる。過剰な演技はほとんどないように見え、戦闘シーンなどはカメラの揺れ等まで計算にいれたドキュメンタリー風の手法のせいで、まるで「その場を記録した」かのような印象を受ける。 原題は「国王の拒絶」、英題は「国王の選択」となっているようだが、そちらのほうがしっくりくるタイトルだ。「屈しない」というマッチョなイメージはまるでない国王が薄氷を踏むように民衆と王室、国家としてのあり方を調整し模索する姿は、立憲君主制における至尊の人のあり方を見せてくれる。立憲君主制において至尊の人が使えるカードは実はほとんどないという事実に、なんとなく昭和天皇を重ねてしまった。昭和天皇は戦争を「終わらせる」為にそのカードを切ったが、こちらは「戦争を始める(主権国家としての独立を守る為に」為に切った。制度や情勢の違いはあれど、不自由な中で誰ひとり彼らの心中を推し量ることができない状況で決断し、責任を背負ったのは同じだろう。 本編とは全く関係ないといえばないんだけど、腰痛の演技が迫真なので、腰痛の人は見てるだけで腰が痛くなりそうかもしれない……等と心配してしまったw