
星ゆたか

Gone with the Wind
Avg 3.6
2022.6.5 「真昼の決闘」の座談会形式レビューが、一部で超好評(?)だったので第二弾です。 出演は星ゆたか、光みちる、雨あられ、雲ゆき、風かおるの面々です。(あられさんは、みつをさんのお姉さん。ゆきさんは、かすみさんの妹です!) (星)それでは今回は、世界がアメリカの南北戦争を語る時、絶対外せない映画「風と共に去りぬ」です。皆さんよろしくお願いいたします。 (光)はい、まずマーガレット・ミッチェルの原作は、1936年に出版されいち早くプロデューサー、デヴィット・O・セルズニックが映画権を手に入れ、入念完璧な準備期間を経て完成させました。 (風)脚色本も18名の書き手に委ねられ、最終的にはシドニー・ハウアドの名前でしたね。 (雲)ヒロイン役の決定まで多くのスターのスクリーンテストを重ね、その様子の実写フィルムも見ましたが、最終候補にあのチャップリンの「モダンタイムス」のポーレット・ゴダードの姿が。 でも最終的には当時「嵐が丘」に出演していたローレンス・オリヴィエを追って来米していたヴィヴィアン・リーがその役をしとめ、そして見事初のアカデミー主演女優賞を得ました。 (雨)これと次の「哀愁」(1940)のヴィヴィアンは本当に綺麗ね。 (風)あの当時のアカデミー賞は、キャンペーンが成功すればその作品に話題が集中し、8部門の受賞もあり得たんでしょう。何しろこの年は他に傑作揃いでしたから。ジヨン・フォードの「駅馬車」 ウィリアム・ワイラーの「嵐が丘」 フランク・キャプラの「スミス都へ行く」同じヴイクター・フレミングの「オズの魔法使」など、作品的には「風と共に去りぬ」よりずっと評価が高い映画がありました。ヴィクター・フレミングに関していうと、この作品はヴイヴイアン・リーとクラーク・ゲーブルの二人と上手くいかず、セルズニックはジョージ・キューカー監督、サム・ウッド監督などを併用して作品を完成させたという話が残っています。 (雨)日本では、1937年から日本の内務省の計らいで、外国映画は鎖国状態。ですからこの作品も日本では公開が戦後の1952年だったそうです。「第三の男」「チャップリンの殺人狂時代」「天井桟敷の人々」などの方が評価は高かったけれど、スペクタルな娯楽大作としてその後も何回も興行され大ヒットしました。 そしてこの映画を現地で公開された時に見た日本の人で、こういう映画を作れる国と戦争しても勝てるはずがないと思ったという話がありましたよ。 (風)しかしヒロイン、スカーレットは結果的には、不滅の大地の変わらぬ強さを身に付け再生する訳ですが、それまでは綺麗なのをいいことにして、相当我が儘でやりたい放題です。史上まれに見る悪女という評価もありました。 (雨)『どんな困難にもその問題はまた明日考えよう。』 (星)『明日には明日の風が吹く』と交わしてゆく強さですよね。 (雲)フランス系の母親の優美さと、祖国アイルランドの父親の血が流れ人一番郷土愛に燃えているんですよ。 (光)そこへいくと、メラニーの女性的な優しさ、すべての物事を善意に解釈し、思いやりの心を忘れない性格は、誰にも好かれ妻にしたい女性ナンバーワンです。 (星)スカーレットが最後まで慕うアシュリーは繊細で落ち着き上品な男性でした。結局この物語の二組の男女は、それぞれ似たものどうしのカップルで、お互い自分にないものを認めるか、やはり似たものどうしを自覚した上で一緒に生きてゆくか、なんでしょうね。 (光)原作者は四人の性格を合わせて、一つの完成的人間の姿を、このアメリカ歴史の激動の舞台の上で求めた、ということなのではないでしょうか。 (星)「南北戦争」をこの機会にもう一度勉強したくなりました。移民の歴史と広大な土地。かつてあった自由州と奴隷州の境。ゴールドラッシュ、産業革命、北部・南部の勢力争い、奴隷解放宣言布告。 南北戦争(1861~1865)だけで60数万人の死者、200億ドル以上の損害があったと言われます。 原作者マーガレット・ミッチェルは1900年ジョージア州アトランタ出身です。ですから南北戦争も南部の立場から描いています。その戦争で消え去った貴族的文化に対する懐旧のドラマとして特徴づけていました。 さぁ皆さんいかがだったでしょうか。 それでは今回はこの辺でお開きとしましょう。ありがとうございました。