
にしにし
9 years ago

I, Daniel Blake
Avg 3.7
ケン・ローチの、いつもの容赦なく厳しい感じ。セーフティネットが機能しないさまを通じて、貧困がいかに人を変容させ、尊厳を失わせるかを描きます。物語は極めてシンプルで、力強い。何気ない画面ですら隙がなく、あまりに自然なので、物語の悠然たる流れに身を委ねることができます。ヒロイン?が最初にとある一線を越えてしまうところ、題名の意味がわかるところで、こころ震える。抑制された語り口の中に、ローチが引退を撤回してまで作らねばならなかっただけの信念、現実を強く糾弾する意思がにじみ出ます。これでユーモアも忘れないのだから、凄い。 ラストは誰もの予想通りなのだけど、それは重要なことじゃない。 終盤に主人公がメッセージを直接叫ぶ映画なんて、って思うけど、今作はそうあるべきだと思いました。 余談ですが、先日国連が発表した幸福度ランキングでは、UKは19位、日本は51位でした。ええ、余談ですが。