
くらっしゃあ

The Crying Game
Avg 3.3
★死ぬまでに観たい映画1001本《第4版》選出★ 【隅に置けない映画】 ◇めちゃくちゃ動揺した映画◇ この『クライング・ゲーム』はニール・ジョーダン監督・脚本による1992年の映画で、私にとって、まさに【隅に置けない映画】であり、ずっと観直したいと思っていた映画。 以前、各配信サービスを検索した時にはヒットしなかったのだが、3日ほど前になぜかU-NEXTであっさりヒットした。 もう、速攻で観た。 映画は、フォレスト・ウィテカー演じるイギリス軍兵士ジョディが、IRAのグループに拉致されるという不穏な場面から始まる。 そしてジョディの見張り役についたスティーブン・レイ演じるファーガスとの間に微妙な友情が芽生え、物語はさらにそこからどんどん予想外の方向へ進んでいく。 なんだろう、これが3回目の視聴だったのだが、もうオープニングで名曲「男が女を愛する時」が流れ始めた瞬間から映画の中にスッと入り込んでいた。 そして、ファーガスが得意気に【カエルとサソリの話】を話し出すラストシーンを観ながら、 「あー、やっぱりこれめっちゃ好きや」 と、余韻にどっぷり浸っていた。 ところで本作は、映画中盤あたりにファーガスがまさに青天の霹靂状態に陥り、狼狽える場面がある。 そしてこの場面、我々はファーガスの狼狽える姿を観てニンマリするのが(ちゃんと映画を観ていれば)本来なのだ。 なのに、15年ほど前に初めて観たとき、私もファーガスと一緒に一瞬思考停止に陥り、異様に動揺してしまったのだ。その時のことは今でも鮮明に覚えているし、今回も、件の場面が近づくにつれて胸がドギマギしてくるのを抑えられなかった。 どんだけトラウマやねん、って話だ(汗) ただ、物語はこの場面以降、さらにおもしろくなっていく。 なんだか支離滅裂なレビューになってきているが、とにかく、よく考えるとオープニングの「男が女を愛する時」からすでに暗喩的な、見事な脚本の妙を見せてくれる逸品。 ニール・ジョーダン監督自身が語るところによると、彼の1982年の映画『狼の血族』の前から本作の脚本に取り掛かっていたとのこと。それだけの時間を掛けただけのことはじゅうぶんあったと思うし、アカデミー賞やNY映画批評家協会賞で脚本賞を受賞したのも伊達ではないなと思う。 そして今、私の頭の中では劇中やエンディングで流れていた「Crying Game」という曲がずっとリフレインしている。