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いやぁ、面白かった。日本の『新聞記者』をよりリアルにしたような話し。いや、こっちの方が先か。 実際の話を元にしてるが、この話を映画化するというのは、中々挑戦的な試みだったのではないだろうか。センセーショナルで面白かった。 神父が教徒に性的虐待をし、それを教会が隠蔽していたのを暴いた記者たちの話し。教会のあり方をひっくり返すような大事件。緊迫感がすごかった。あまり描かれてはいなかったけど、嫌がらせとか、教会からの圧力とかなかったのかな。新聞を発行後は脅迫とか物理的な行為とかされてそうだよね。でも、それくらいの世紀の大スクープだったわけだし、それよりも何よりも最後に被害者たちからの電話が鳴り響いていたことに全てが詰まっている。信者からの非難ではなく、信者からの悲鳴があるということは、多くの人が被害に苦しんでいたということ。誰もがわかっていたことだが、誰もが口を閉ざし、我慢していた。それを白日の下にさらしたことで、どれだけの人が救われただろうか。 教会という特殊な場所はそういった被害の温床になっていた。それは何世紀も以前からそうだったはずだ。加害者は自らの立場を隠れ蓑にやりたい放題だったが、罰せられることを理解させられたのだ。その膿を出せたことは、とてつもなく大きい。 役者も豪華だった。マイケル・キートン、マーク・ラファロ、レイチェル・マクアダムス名優揃いだ。マイケル・キートンっておじさんになってから渋味が増してさらにカッコよくなったよね。 この手の作品はシナリオが肝だ。美しい景色をみせるでもなく、恋愛でもなく、映像で挑むわけにもいかない。シナリオが優れていないと成立しないが、この作品は見事に成功していた。そのシナリオを転ばす役者たちにも責任は重い。映像で誤魔化すことはできない。会話で緊迫感を出さなければならない。それをこの名優たちは見事に成功させていた。 本当に面白い作品だったけど、タイトルがひどいと思わない? 原題はスポットライトだし、邦題は『スポットライト 世紀のスクープ』サブタイトルがダサすぎる。確かにその通りだったけど、なんの捻りもない。もう少し考えていただきたい。危うくこの名作を見過ごすとこだった。
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