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観客として憤りを感じてしまった。何か、思いつきでよく考えもなしで何となく映画にしてみました、解らない人は観なくても結構、みたいな開き直りさえ感じる。 この映画、そもそも映画なのだろうかという根本的なところにさえ疑問を感じた。というのは、映画に必須なリアリズムというのを尽く無視しているからだ。 例えば、ゴジラなりスターウォーズなりは、1つか2つの大嘘をついているのだが、それを支えるリアリズムは徹底される。だからこそ面白い映画なのだ。 本作は、まず冒頭から変な感触が漂う。チャチな宇宙服を着て船外作業をするのだが、宇宙船の中は全く宇宙感がない。恐らく人工重力だなと思って我慢して観ていたのだが、今度は宇宙葬が始まり、死体にわざわざ宇宙服を着せ、宇宙空間に投入する際にも何故か重力がある。この辺りから、もはやうんざりして来たのだが、極め付けはミッションの目的だ。 宇宙空間における生殖、妊娠、出産などの観察や研究が目的だとすれば、モルモットである囚人の管理が考えられない程極端に甘いし、サンプリングによる人工授精というのも考えづらい。そもそも人工重力下では目的に沿うのかどうか。 そして、ハイライト的に描かれるジュリエット・ビノシュのあまり美しくない自慰シーンなどは、何も宇宙船の中でなくても良いのではないか? 疲れた・・・・としか言いようが無い映画でした。
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