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star5.0
A.C.195年、地球圏統一連合の支配に反目する一部のコロニー居住者による地下組織が「オペレーション・メテオ」を発動させる。それは流星に偽装した5機のモビルスーツ(MS)「ガンダム」をパイロットと共に地球に降下させ、破壊活動を行わせる。しかしこの作戦は「M作戦」の名で連合及びOZに察知されていた——。 テレビ版「新機動戦記ガンダムW」込みの評価。ガンダムシリーズはもとより、アニメの中で一番好きな作品。何回目の視聴なのか覚えてない。 イケメンキャラによる女性人気や、エキセントリックなキャラの行動・言動が注目されがちだが、本作の素晴らしさはそれだけではない。 9.11以降は、コードギアスや00、鉄血など、テロリストをテーマにしたアニメ作品が続々と作られたが、9.11以前に、巨大国家に対する、抑圧されたテロリスト像をいち早く表現している先見の明は、非常に素晴らしい(自爆システムなんて、いまはテレビに出せないだろう…)。 ガンダムWの5人の主人公たちは、ガンダムに乗って戦場では勝利するが、戦略レベルで負け続けるという描写も、主人公たちが抑圧されたテロリスト的な存在であることを表現できている。 また、無人兵器モビルドールに追いやられていく兵士たちは、AIの発達におののく現代人のようだ。 逆に、ヒロインのリリーナが提唱する「完全平和主義」は、9.11以降、すっかり説得力を失っている。 だが、本作「エンドレスワルツ」で完全平和主義の提唱ではなく、「いま大切なのは主義や主張ではなく、平和を願う心です」とリリーナが発言するシーンは、ピースクラクト家ではなく、ドーリアンの姓を選んだ彼女らしい成長の現れだと思うし、このセリフは、今の時代も含めて普遍的な意味合いを持つと思う。 セリフと言えば、ガンダムWはキレのあるセリフが多い。本作でも「あなたがたは、犬に振られる尻尾なのよ(尻尾を振る犬ですらない)」とか、「民主的に選ばれた割には優秀な方だ(大統領のこと)」とか、セリフがいちいちキレキレしてて、笑える。 この未来を予見したかのような「先見の明」は後の時代にならないと、分からない。いまだからこそ、評価出来る点だ。そして、そこまでしっかりと作り込まれていたことに、改めて驚愕する。 にしても、自爆システムや敵の軍事基地に飛行機(モビルスーツ輸送機)で突っ込むようなテロリスト的な主人公のアニメが、なぜアメリカで人気になったのか不思議で仕方ない…。 ✳︎ ✳︎ ✳︎ 環境テロと現代世界で起こっているテロは、当たり前のことだが別物だ。別のガンダム作品に出てくる組織「マフティー」は環境テロのグリンピースや、シーシャパードの発展系だと、個人的には思っている。
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