
星ゆたか

Lost Highway
Avg 3.4
2026.1.22 デヴィッド·リンチ監督90年からのTVシリーズ「ツイン·ピークス」で人気をおさめた51歳の時の映画。 94年TVニュースで取り上げられた【O·J·シンプソン殺人事件】から着想を得たと話している。 これは元N·F·L(アメリカンフットボール)殿堂入りO·J·シンプソン選手が。 6月、元妻ニコール·ブラウンとその友人ロン·ゴールドマンを殺害した罪で、警察が逮捕しようとしたら。 元チームメイトと白のフォードブロンコ車で逃走。 そのカーチェイスがTVで生中継放送されたとの事。 そして刑事裁判では、“夢のチーム弁護団”が警察の人種差別を主張し。陪審員は無罪判決を。 しかし被害者からの訴訟による民事裁判では。 有罪判決で3350万ドルの支払い命令を下された。 ちなみにこのO·J·シンプソンは2007年にラスベガスで自分のNFL時代の物品取引業者から、共犯4人で盗難事件を起こし。 禁固刑33年の実刑を。 9年服役し最短の保護観察下の仮釈放しているとの波乱な人生を。 前書きが長くなったが。 この映画の最初と最後のシーンで流れる。 夜中のハイウェイを失踪しているか?の全面ライトに浮かびあがる道路の場面とか。 あるいは酒場のテナーサックス演奏者の夫が。 妻を殺害し、その記憶が定かでなく。 別人格の、もう1人の人間を途中から登場させ。 観客の理解を混乱させる作劇には。 心理学用語で言う所の。 〖サイコジェニックフーガ〗(心因性記憶喪失)(解離性遁走)があり。 これは過重なるストレスによって記憶が葬られる病気だそうで。 映画の主人公が刑務所内で激しい頭痛の果て。 画面に全く違った人物がとらわれていて。 30過ぎの音楽家が20過ぎの自動車修理工にかわり。 殺された妻(黒髪ブルネット)そっくりの女性(金髪ブロンド)と危ない愛人関係になる。 どちらにも登場する不気味な死神みたいな謎の男(記憶管理人·ミステリアスマン)が。 事の成り行きを予告暗示する。 何故前半の音楽家は妻を殺害したのかは曖昧で、その出来事を何者かによって撮影されたビデオテープで知る。そして殺害容疑で逮捕され刑務所へ。 そこには妻の浮気を疑っての行動だったらしいが。 その記憶を本人が消してしまい(抑圧意識の投影)、別人格を生みだし(人格解離者)。 妄想世界を遁走する事(後半の若い修理工青年の日常世界)に。 映画の中盤で主人公が別人格を生み出して。 『自分は殺害行為をしてない』と主張する辺りには。 あのO·J·シンプソンも〖サイコジェニックフーガ〗か⁉️。 デヴィッド·リンチ監督世界の。 『淡く光るシェードランプ、煙草、黒電話、街の通りの名前、光に隠れた暗部等』の要素が入り交じった作品だ。 ヒロインの二役を演じたパトリシア·アークエット(「6才のボクが大人になるまで」でアカデミー助演賞)が印象的。