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cocoa

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1 year ago

4.5


Big World

Movies ・ 2024

Avg 3.8

中国語の原題は「小小的我」。 英題は「Big World」 脳性麻痺で産まれた主人公リュウ・チュンへは20歳になる。 高校卒業後、師範大学を目指して猛勉強していた。 一緒に暮らす祖母を慕い、周囲からの特異な視線を感じながら必死に生きる青年リュウを描いたストーリーです。 何と言ってもリュウ役のイー・ヤンチェンシーが良い! (別名はジャクソン・リー、歌手でダンサーでアイドル!) 別の作品『少年の君』や『素晴らしき眺め』も最高だったが、今回は脳性麻痺と言う重度障害を抱える青年役。 彼がここまで難しい役に臨んだ覚悟さえも感じる素晴らしい演技だったと思います。 冒頭の階段を昇るリュウの足元…。 四肢の麻痺もあるのでサンダル履きの彼が必死に躓きそうに歩いている。 顔の麻痺、首を振りながら発声も不自由そうに話す姿などいろいろ研究したのだろうな。 知的障がいではなく、脳性麻痺なのでリュウは記憶力が良くて学力優秀。 師範大学の発表を待ちながら日々暮らしている。 おばあちゃんのキャラがまた良い。 派手な色使いのスカーフ、着るものも華やか。 でもおばあちゃんがスカーフにこだわる理由や、後にリュウの気管切開の傷に絵を描く意味がそれぞれ強い絆の同志のようだった。 リュウが子どもの時にスーツケースに隠れて聞いた両親の本音。 「いなかったらもっと良い人生になる」云々の言葉は辛かったはず。 確かにまっすぐ歩けず、体は揺れて言葉も鮮明ではないが、リュウの心は強くなるしかなかった。 リュウに冷たかった母親。 それは障害児を育てる不安もあったのだろう。 母と言い合った時もリュウは必死に話していた。 「家族の重荷なのはわかってる」 「昼間、外に出るな、周りの人が嫌がる」などと言われ続けてきたリュウ。 「僕はずっとそれを背負って生きている」 カフェでバイト面接をした時に「正直、普通の人を雇いたい」と言われたリュウ。 店がリュウを雇ったのは税制待遇や社会に対するポーズだったのかもしれない。 それでも仕事をすることが「尊厳」だと感じたリュウだった。 自分の作ったキャンディーを喉に押し込んだのは自死願望から。 必死に助けようとしたおばあちゃんの姿にも胸を打たれた。 最後のスピーチで… 「僕がどんなに小さく壊れていても僕は僕なんだ。」 「幸せの意味には僕たち一人一人が含まれるべき。」 タイトルの「小さな私」に繋がる言葉だと思った。 そんな小さな私が大きな世界に羽ばたくのはリュウの力で掴んだ未来だと思った。 合格した師範大学までのドライブ、おばあちゃんに言う言葉がまた良かった。 そして「後は僕の道を歩かせて」と、リュウの独り立ちを感じるラストだった。 イー・ヤンチェンシーの熱演は本当にすごかった。 同じようにおばあちゃんの存在も捨てがたい。 詐欺師に騙されそうな性格でも、明るく前向きでリュウの事を本当に心から支えている。 (そして自身もチベットに出稼ぎ中の辛い過去も抱えている。) 演じたダイアナ・リンにも拍手でした。 これからもイー・ヤンチェンシーの作品は要チェックです。 エンドロールまで最高でした。