
こじま
5 years ago
5.0

Lawrence of Arabia
Movies ・ 1962
Avg 3.6
長尺ゆえに中々観れていなかった作品。1人の青年であり、軍人であり、リーダーであったロレンス。純粋で人情あふれる彼が燃え、描いた理想。成果を残し、でも挫折し、また立ち上がって理想を追い求め続けた半生。命を賭して奔走し目指した理想だったけれど、実は政治の中で生きていて(生かされていて)最後は体よくお払い箱に。 ロレンスの半生から、政治を象徴とする“権力”や“体制”に従いのまれて生きるべきか、理想を描き挑戦のリスクに対峙し矢面に立って突き進み、その結末は理想を実現する人生か、利用されて終わるかの、まるで丁半博打、否、ほぼ利用されるである人生か。そんな人生観の選択を、美しい砂漠と空の風景と生々しい人間味あふれるストーリーだからこそ、深くそして強い示唆でもって考えさせてくれた映画でした。 短く分断し、それぞれのエピソードを深掘れば、複数作品の映画を創れるだけの壮大で、同時に1人の人間の心の機微を表現した映画。それらを分けず一作品で描き切ったからこそ、強烈に人生観に問いかけてくるほどの迫力ある作品なんだろうと思う。 凄まじい作品でした。