
dreamer

Breakdown
Avg 3.1
本物かと目を疑うCG映像が、ネット上にはいくつもある。 映画の世界も、今やそんな本物まがいのCG作品が花ざかりだ。 だが、そのほとんどは、ゴテゴテに飾り立てた空箱みたいなもので、見た目は楽しめるかもしれないが、力を入れたCGに見合うだけの作品は、意外と少ないようだ。 この映画「ブレーキ・ダウン」には、そんな無機質なCG映像はない。 あるのはただ、人間同士の駆け引きと、そこに生じる生身の闘いだ。 そして、これこそが映画本来の面白さだろう。 広大なアメリカの人里離れたハイウェイ。一台の赤い最新型ランドクルーザーが走っている。 乗っているのは、テイラー夫妻で、夫のジェフ(カート・ラッセル)と、その妻エイミー(キャサリン・クインラン)だ。 だが、突然、車が故障。夫妻は、ほどなく通りかかった長距離トラックに助けを求め、妻だけ近くのダイナー(簡易食堂)まで乗せてもらうことになる。 だが、これを最後に妻の行方は、ようとしてわからなくなってしまう--------。 故障を修理した夫は、妻が待つダイナーへ向かうが、そこに妻の姿はなく、その姿を見た者さえいない。 皮肉にも彼の高級車が、身代金が取れるとみた悪党どもを呼び込んだのだ。 彼が、妻を探して立ち寄る保安官事務所の多数の行方不明者の写真が、アメリカのリアルな現実を見せつけて恐ろしい。 かくて、身代金を要求してきた男たちと、何としても妻を取り戻したい夫との、ガチンコ対決が始まるのだが、主人公のカート・ラッセルの、体を張った孤軍奮闘が、まさにハラハラ、ドキドキの連続で、観る者の目を画面に釘付けにすること請け合いだ。 怖いのは、犯人の男たちが、よくありがちな“闇組織”などに属する連中などではなく、隣近所のどこにでもいそうな普通の男たちであることだ。 行方不明者の多さとともに、そんなアメリカの怖い部分を垣間見るような一篇だ。