
panopticon
7 years ago

Biutiful
Avg 3.4
向こうには何が…? ・ 聖書的に読み取れば、父親は神としての存在。 有機的に朽ち果てていくバルセロナの安アパート、泥水が滴る温度感さえぼやけた環境とは遠く隔たった雪深い、ここではないどこか。 それはかつて恐ろしかった海の底。けれど、それは風が吹くどこか穏やかな真っ白な空間でもあり… 画面は暗転。「向こう側」は映されない。けれど、ラヴェルの美しい旋律によって示される。 ・ ドキュメンタリーチックな手持ちカメラは揺れ、蠢きながら苦しみの連鎖を紡ぐ。 その中でいて一瞬の幸福、自然光による陽の射す部屋の中での家族四人の食事の場面が静的で落ち着いたカメラワークで表されており、その光に満ちた完璧な一瞬に打たれた。 ・ そのために努力を強いられたとしても、完璧な一分間にはそれだけの価値がある。完璧な存在は、どれもせいぜい一瞬しか続かない。 ってパラニュークも言ってたけど、全ての苦しみは、その一瞬のために存在するし、その一瞬はこの上なく輝かしい。