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cocoa

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2 years ago

3.5


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Dream Horse

Movies ・ 2019

Avg 3.7

原題も「Dream Horse」。 イギリス、ウェールズの片田舎が舞台。 主人公のジャン(トニ・コレット)はパートで働き両親の世話に通い、無関心な夫ブライアンと暮らす女性。 ある日 競走馬を育てたいと決心し、村人を募って共同馬主組合を立ち上げる。 育てた馬は「ドリームアライアンス」号。 馬を育て仲間たちと共に夢を追う大切さを描いた実話ベースのストーリーです。 まずトニ・コレットが好き。 希望のない日々を送る主婦の気持ちをその表情で演じきれる。 地味な髪型と安価な髪止め…(失礼)、でも最後に実在のジャンを見たらかなり寄せていた。 ついでに夫も実在のブライアンにそっくり! 大型犬とたくさんのアヒルを世話しているジャン。 もともと生き物が好きで鳩の飼育で賞をもらっている。 そんなジャンが貯金をはたいて牝馬を買い付ける。 ルーベルと名付けた牝馬は仔馬を産んで亡くなってしまうがジャンは悲しみの中あきらめない。 村人を募って共同馬主組合を立ち上げ、馬には「ドリームアライアンス」…「夢の同盟」と名付ける。 通称「ドリーム」を調教に預け、その後 レースデビューには村からバスで駆けつける。 チェプストウやパースのレース場では好成績を残し、村人の表情が一気に華やぐ様子がとても良かった。 レースに賭けても儲けを期待しないであくまでもモチベーションや気持ちの高鳴りが優先されるべき、と言う約束だったが、人間 こんな楽しみや彩りがどんなに大切なんだろうか。 ニューベリーのレースでは初優勝。 しかし続くエイントリーの大きなレースで向こう正面でドリームは消えアクシデントが起こるのです。 あぁ、競走馬の脚のケガはいやな予感しかない…。 ジャンの祈る気持ち、安楽死の是非になやむ仲間たち。 共同出資をするとこんな時は決定権がバラけるのも仕方ないか。 そこからの経緯は奇跡の連続のようだった。 歩けるようになった奇跡、人を乗せて走れるようになった奇跡、またレースに出られるようになる奇跡。 レース参戦を反対するようにジャンがドリームがまたケガをするのでは…と悩む姿は母親のような気持ちからだろう。 ウェールズの最高峰のレース、ウェルシュ・ナショナル。 ウェールズの国歌を聴き、ボルテージが上がるなか、ジャンが心配そうに祈る姿に共感できる。 デットヒートを勝ち抜いて栄冠に輝いたドリーム。 村人が温かく迎えるジャンたちの凱旋。 それでなくても人口の少ないウェールズの、そのまた小さい村がわき上がるのです。 目標や夢が失くなっていたのはジャンだけでなく夫ブライアンも同じ。 その後、新たな組合を作ったり新しい仔馬が産まれたのも良かった。 上流社会のものと言われた競走馬のレース、「農村育ちの馬ドリーム」は名前の通りジャンたちに夢と希望を与えたのが良かった。 これが実話だと言うのも良いし、最後にみんなで歌う姿も素敵だった。 ウェールズと言ったらサッカー選手のベイルや俳優アンソニー・ホプキンスが有名。 ジャン夫妻の暮らす小さな村の家々が集まったその向こうに広大な牧草地や草原が広がっていて、風景も圧巻でした。