
てる

The Umbrellas of Cherbourg
Avg 3.4
古い映画を観よう。そう思い立って、マイリストの肥やしを消化してみた。 全編を通して、セリフが全て歌という、ミュージカルと呼んでいいのかいまいちジャンルがよくわからない作品だった。 内容は『ひまわり』を連想させるものだった。戦争にいって、帰ってきたら婚約者が別の男と結婚していた。一昔前にこの作品を観たなら、女の貞操観念を疑い激昂していたことだろう。実際、酷い仕打ちだと思う。だが、時代背景を考えると、理解はできる。納得はしないけど。 食うに困らないこの時代ならば、お互いの気持ちを優先するのが当然だ。しかし、明日の行方もわからぬ時代では、感情よりも経済力を選択してしまう。母も金持ちと結婚してくれた方が安心であるし、時代的にも親の発言力は強かったはずだ。 彼らは若すぎた。もう少し、経済的にも精神的にも安定していたなら許された結婚だった。だけど、16歳、20歳の若い二人が誰の支えもなく、赤ん坊を養っていくというのは、この当時では非現実的だったのではないだろうか。別れるべくして、別れたと言えよう。 ただ、やはり二人の物語は悲劇であり、同情を誘う。こんな時代でなければ、そんな選択をしなければ、そんな叶わなかった可能性を考えてしまう。 でも、そんな切ない物語も全て歌で語られてしまうので、いまいち緊張感がない。当然、普通に話すような芝居よりも、感情的であるし、大袈裟で、芝居がかっている。 それを狙っての演出なんだろうけど、どちらかというと、作品のテーマ的には繊細な演技で表現した方がよかったのではないだろうか。 これは好みの問題だと思うが、私は良いとは思わなかった。 元々ミュージカル映画は苦手だった。ここ最近に観た作品が面白かったので、その苦手意識は薄らいでいた。しかし、今回の作品でその苦手意識が再び首をもたげた。やっぱり苦手なんだなぁ。だって、自分は日常生活の中で、突然歌い出すなんてことないもんなぁ。