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星ゆたか

星ゆたか

3 years ago

3.0


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The Friends

Movies ・ 1994

Avg 3.4

2023.8.31 神戸を舞台に小6の少年3人と老人とのひと夏の交流。 そして親しくなった人間の死を、身近にその年齢で体験する意義を問うた。 湯本香樹実(59年生まれ)さん原作の映画化。中高生の読書感想文対象小説。 そしてこの小説執筆を勧めたという相米慎二(1948~2001)監督による作品。 前年のキネマ旬報誌ベスト2位の「お引越し」に続き、5位に輝いた。 老人.傳法喜八役に三國連太郎(1923~2013)さん。 その老人との哀しい過去がある婦人. 古香弥生役に淡島千景(1924~2012)さん。 オーディションで選ばれた少年3人の内の坂田直樹さん(やせと呼ばれた)は その後、現代音楽の作曲家になり活躍中だとか。 サッカー仲間の3人の1人、山下君(相撲取りと呼ばれた太っちょ)は。 少し前に祖母の葬儀を経験し、特に遺体を荼毘する場面の衝撃を他の二人に話す。 そこで話は近くの雑草とゴミ袋の悪臭が漂う屋敷に住む老人の事に。 『俺たちの目で死に際を見極めようぜ!』と。 最初は塀際こしに。 次第に敷地内に入り込み、家のガラス越しに。 『生きてるか? 死んでないか?』 と覗き込んで。 『コリャーっ!』と怒鳴り追い返される。 それでもメガネの河辺君は父親を早く亡くしているせいもあって、懲りずに “監視”し続けることを主張。 二人も何となく付き合う。 映画全体は児童映画のような軽快なテンポで進みユーモラス。 しかし次第にこの令和の時代には、無くなりつつある昭和の戦争の記憶が重い意味を落としていく。 最初は意固地だった老人。 しかし彼の洗濯した肌着などをロープを庭に“教わりながら”引き、干してやったりして気持ちが通じ。 庭の雑草抜きから、家の中の掃除、障子はり、屋根のペンキ塗り、庭にコスモスの種をまくなどで。 気持ちもほぐれ、仲良くなった。 すっかり綺麗になり庭を眺めつつ。 🍉すいかをともに食べる幸せ😆🍀感は最高‼️。 過去の話もボチボチと。 実はあの大戦の前に結婚していて、新妻を残し南方に出兵。 現地の妊婦を殺さねばならない凄絶な体験から。 帰還しても新妻に会うことが出来ず以来、孤独な一生を送っているらしい話まで聞き出した。 その後その新妻は彼との女の子を出産。その娘が成人後結婚し。 生まれた女の子が、何と奇遇な事に。 3人の少年らの受け持ちの女先生だった。 喜八さんの結婚相手のその弥生さんは。 産んだ1人娘を育て上げたが。 その娘が成人後結婚し生まれた孫(女先生)を残し、自動車事故で(娘夫婦を)亡くしたショックで認知症になり。 今は老人施設に入居し暮らしているらしいというあたりまで突きとめた。 相米慎二監督は「台風クラブ」(85)「あ、春」(99)などの傑作を残し肺癌のため53歳で亡くなっている。 その演出の熱心さは有名で、役者からも賛否両論の評価を受けているらしい。 「セーラー服と機関銃」(81)の製作に携わった角川春樹氏は。 ヒロインの薬師丸ひろ子さんを『お前』呼びする。 “上から目線”が主義に合わないと以後の関係を断ったのエピソードもあるとか。 好きな邦画は「小原庄助さん」「たそがれ酒場」「女が階段を上がる時」、洋画では「カビリアの夜」などを上げている。 ギャンブル好きで、特に競馬🐎💴競輪🚴によく出かけていたらしい。 盛岡生まれで北海道育ち、10歳で父親を亡くし。 大学生時代は共産主義同盟に所属。 1966年の成田空港地反対運動(三里塚闘争)にも参加した正真正銘の“トロッキスト”と呼ぶ人もいるそうです。 少年期に生命の“死を考える大切さ”をテーマにしているが。 その背景に太平洋戦争の影を背負った世代の人間の死という所が。 より深い感傷を含む作品だ。 夏に見るにふさわしい映画でした。