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ジャック・フィニィの古典SF小説の傑作『盗まれた街』の2回目の映画化作品。監督はフィリップ・カウフマン。 物語の舞台が原作のサンタ・マイラという小さな街からサンフランシスコという都会に変わっているのだが、これは1回目のドン・シーゲル版の終盤、豆鞘を積んだトラックに「サンフランシスコ」の文字が書かれていたから、もしかしたらちょっとしたオマージュなのかもしれない。 本編は、序盤から不穏な空気が充満。話の筋は分かっているのに観ていてぞわぞわ。原作のみならず、ドン・シーゲル版に対しても終盤のある展開を踏襲するなどリスペクトしつつ、入れ替わったモノが不気味な叫び声を上げるという新たなアイディアでさらに絶望感を煽る。そしてこの叫びは次のアベル・フェラーラ版に引き継がれている。 そんなふうに観くらべてみるのも映画の楽しみ方のひとつと改めて思った。 【Blu-ray】
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