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2020.8.19.142 ネタバレあり バレエダンサー“ニナ”は、一流振付師トマの新作“白鳥の湖”のプリマ(主役)に抜擢される。新作では白鳥だけでなく黒鳥も演じるために、トマはニナに情熱さや妖艶さを要求する。役をモノにするためにと、トマからは肉体関係や自慰を強要され。代役のリリーからは嫌がらせを受ける。さらにはリリーは性に奔放であり黒鳥役にうってつけ。ニナはうまく役になりきれない焦燥や、役を奪われる恐怖のために精神状態が不安定になっていく。ラストのステージでは、観客もトマもニナ自身も“完璧”と称賛する演技を見せる。と書いたらハッピーエンドっぽいけども、最後のステージまでのニナの追い込まれ方は狂気というか病的というか。どこからどこまでがニナの幻覚なのかがわからない。本人もおそらくわかってないのだろう。男と寝たり、女と寝たり、さらにはライバルを刺したりする妄想(幻覚)を経て、ようやく殻を破り最高の演技が出せる。“セッション”同様、才能と努力だけでは一流になれないのか?と不安になっちゃう映画。 もともとバレエはヨーロッパ貴族の社交の場として栄えたが、その後裕福な一般階級も貴族の真似事でバレエを観劇したらしい。しかし一般階級はバレエを楽しむだけの知識教養がない。そこで、劇場が売春の斡旋所のように変化していったとか。指導者は教え子と肉体関係を持ちたがるのは、そういった歴史があるからなのか?なんて思いながら観たが、たぶん関係ないんだろうな。どの業界でも権威を振るい関係を迫ったり、それを好機と受け入れ成り上がる人はいる。余談でした
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