
てる

Rhino Season
Avg 3.0
いやぁ暗い話しでしたね。 イランの実際の話を基にした作品で、まぁ残酷な内容でした。やはり中東系にはこういう話は多く存在するんだろうなぁと思わされる。 当時のイラン国民ならば誰にでも起こり得ることだったのではないだろうか。なんだか生々しくて、国の治安の危うさが滲み出ている作品だった。 そこそこ裕福だった夫婦の転落人生。それは彼らには何の落ち度もなくて、知り合った人物と時代が悪かった。様々な要因が彼らを不幸に落とした。 でも、それを嘆くことなく、悲哀を背負って生きている彼らはやはり逞しく写った。 とはいえ、辛いよなぁ。 数年ぶりに会う夫婦のシーンは辛い。お互いに誰であるかわかっているのに、敢えてお互いに気づかないフリをしている。 お互いに今の生活があり、それに干渉しないように気を使っているのだろうか。 だけど、それでも一目会いたいからこそ、会いに行ったのに、一言も言葉を混ぜ合わすこともなく別れる。 二人の間には重たい障壁が横たわっている。それは、引き裂かれた二人の絆と長い年月がそうさせている。 久々に会ったからとはいえ、元の鞘に収まることはない。 アメリカの映画だとハッピーエンドになりそうなもんだけど、現実にはそう簡単にはいかない。その辺はフランス映画が十八番だと思うが、この作品は『ひまわり』や『シェルブールの雨傘』よりもさらに残酷で悲壮感がある。 ただ、大変重い内容の話だが映像作品としては素晴らしい。画には常に悲壮感が漂っている。この雰囲気作りが非常に上手い。 あと、本当の話しだけあって、人間のドラマを色濃く映し出している。 面白いかどうかは受けて側の判断に依るところが大きいとは思うが、映画好きな人はこの手の作品は好きなんだろうなと思わされる。 個人的には、映画を勉強するにあたって、観といた方がいい作品なのだろうと思う。 単純明快な作品ばかり観ていると、たまにはこういった趣旨の映画も観といた方がいいとつくづく感じたのでした。