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「男性至上主義のブタvsフェミニスト」の闘いを描いた元男子世界王者ボビー・リッグスと現女子世界王者キング夫人の世紀の一戦の物語。 過去の栄光をネタにまだまだ道化役で一花咲かせたいボビー55歳はギャンブル依存症で家庭は崩壊寸前。 対するキング夫人は既婚者にも関わらず、同性の美容師マリリンと関係を持ち依存してしまう。 そんな2人が互いに男と女の尊厳を賭けて闘う物語は同時に70年代の男女同権運動や同性愛問題も巧みに描いてて、当時のファッションと共に非常に見応えのあるドラマに仕上がってます。 ボビーを演じるスティーブ・カレルはまさに本領発揮。キダタローそっくりの強烈キャラは男尊女卑の極みにも関わらずイヤミがない。 そしてキング夫人を演じるエマ・ストーンも本人そっくりで、テニスシーンも含め見事な演技。 そして超豪華な共演陣がまた素晴らしい。 ボビーに見切りをつける寸前の美しい奥さんプリシラをエリザベス・シュー(さすがに老けたけど、ここぞという時の表情は相変わらず気品があって美しい)、キング夫人の恋人を演じる小悪魔的な魅力炸裂のマリリンをアンドレア・ライズボロー(本作での存在感はヤバい)、陰ながらキング夫人の同性愛を応援するファッションデザイナーのテッドを『チョコレート・ドーナツ』のアラン・カミング、キング夫人を後押しする強烈なマネージャーのグラディスを『スクール・オブ・ロック』のサラ・シルバーマン、紳士ながらも女性の権利を認めようとしない全米テニス協会のジャックを『インディペンデンス・デイ』のビル・プルマン他、この辺も見どころたっぷりの素晴らしい存在感でストーリーに深みを与えています。 女性の地位向上のために闘ったキング夫人は後に女性初の大統領名誉勲章を授かりますが、この辺は映画『ドリーム』を思わせる作風で、さすがフォックスサーチライトピクチャーズ作品!って思わせてくれるステキな作品でした。 上映館が少なくて片道2時間超の大遠征を強いられましたが、アストロドームでの試合シーンも大迫力で、スクリーンで観られて良かったです。
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