
ひろ

Stagecoach
Avg 3.5
製作・監督ジョン・フォード、主演ジョン・ウェインによって製作された1939年のアメリカ映画 ・ 第12回アカデミー賞で助演男優賞(トーマス・ミッチェル)と作曲・編曲賞を受賞した ・ 1885年、アリゾナのトントから、8人を乗せた駅馬車がニューメキシコのローズバーグに向けて出発する。出発間際、ジェロニモ率いるアパッチ出没の報が入ったが、騎兵隊の護衛と乗客達の意思で出発は決行。途中、脱獄囚リンゴ・キッドを加えた駅馬車は、次の町ドライフォークへ向かうのだった…。 ・ 西部劇のバイブルと言われ、映画史に燦然と輝く娯楽映画の金字塔と呼ばれる名作中の名作。黒澤明も影響を受けた“映像の詩人”ジョン・フォード監督の代表作でもあり、容姿とアクションはいいが演技がダメと評価されていたB級映画俳優ジョン・ウェインが、一夜にして大スターとなった作品。 ・ 映画の全てが詰め込まれていると言われる作品で、あの天才オーソン・ウェルズが映画作りの参考にしたというほど。西部劇と言っても銃撃戦だけの作品ではない。前半の駅馬車の人間模様の描き方はすごい。少人数の空間にもヒエラルキーが発生していて、ぎくしゃくした空気に包まれる。そんな人間関係のバランスをとっているのが、本来なら上位にいく存在である医者でありながら、酔っ払いのため見下される医者と赤ん坊だ。 ・ そんな綱渡りのような人間関係を保ちながら、後半にアパッチとのスピーディなアクション・シーン、リンゴと三兄弟の決闘という見せ場を持ってくるから完璧だ。現代的なイケメンとは違って、高倉健のよう渋い男ジョン・ウェイン。ジョン・ウェイン演じるリンゴのロマンスも描かれていて、これがまた男らしくて素敵なのだ。 ・ 主役よりいい味を出しているブーン医師を演じオスカーを受賞したトーマス・ミッチェル。同年のアカデミー賞を独占した「風と共に去りぬ」や11部門にノミネートされた「スミス都へ行く」、2部門にノミネートされた「ノートルダムの傀儡男」にも出演していて、キャリア最高の年だった。ハリウッド黄金期最高の名脇役のひとりだ。 ・ 1939年はハリウッド映画史上最高の年と言われていて、「風と共に去りぬ」など歴史的な名作がたくさん作られた。この作品も「風と共に去りぬ」も映画史に残る傑作なのは間違いないが、どちらも差別的な表現があるため、現在は上映も放送もされることはないという。ハリウッド黄金期の西部劇のバイブルを観ずして、アメリカ映画を語るなんてことはできない。