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命の尊厳を問う強烈なメッセージ 主人公の名前はジョー。第1次世界大戦の戦闘の負傷で両手足と目・鼻・耳・口(顔面全て)を失い意識の無い脳死状態として、研究体として生かされ続けますが、彼には最初から明確な意識がありました。 過去の思い出・夢・想像の場面はカラー映像。 現実はモノクロ。美しい過去と残酷な現実の対比が痛切に表現されてます。 ジョーの苦痛と孤独が胸をえぐる。 絶望的で救いが無い物語だからこそ、我々が普通に生きている事の尊さが実感できるのです。 原題[ジョニーは銃をとった]は第1次世界大戦時の兵士募集広告のコピーを比喩したもの。 反政府的として何度も絶版化され、作者ダルトン・トランボ(小説・脚本家)も映画界から長年追放されました。本作は復帰した晩年に自ら製作・監督した悲願の映画化。 死後、追放時代の作品として名前を外されていた[ローマの休日]の脚本家としてクレジットを改められました。その他多くの言論弾圧で追放された 映画人達の名誉回復の先駆けとなったとの事です。
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