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cocoa

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4 years ago

3.5


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Those Who Remained

Movies ・ 2019

Avg 3.4

原題はハンガリー語で「Akik maradtak」。 「残された者」と言う意味。 第二次世界大戦後、1948年のハンガリー、ブタペストが舞台。 ホロコーストで50万人以上が犠牲になったこの国で、16歳の少女クララと42歳の男性医師アルドが出会う。 大切な家族をそれぞれ亡くした2人が寄り添い生きていく……そんなストーリー。 孤児院から叔母に引き取られたクララはちょっと反抗的な女の子。 父と母は収容所で生きていると信じている。 一方のアルドは妻と子どもたちをホロコーストで亡くし、一人生き抜いてしまった事を心に抱えている。 アルドの腕には収容所のナンバーが刻まれている。 そんな2人が婦人科の診察で出会い、クララはアルドを父のように慕う。 喜びの感情を出さないアルドは叔母さんの許可を取りクララを泊めるようになる。 この2人の関係を不純と疑う周りの人もいるが、私には恋愛感情と言うよりも大切な人を失なった者同志の寄り添い方に見えた。 辛い過去のトラウマは消えないが、結局お互いに相応な恋人を選んだと言うのは、ハンガリーの政治体制上で仕方がなかったのかな。 3年後、親しい人が集まってパーティーをしている時、スターリンの訃報をラジオが告げる。 ナチスに痛め付けられ、その後は旧ソ連の抑圧に苦しむハンガリー。 スターリンの訃報はほんの一瞬だけ気持ちを解放できただろうか。 でもその後もハンガリーは動乱があったりソ連の弾圧にも苦しむ。 ソ連崩壊まで自由を手に出来なかったと知っていると、クララやアルド、多くのユダヤ系のハンガリー人の苦労は続いたのですね。 ラスト、走るバスに乗っているクララの映像で終わりますが、少なくとも彼女は未来を見ている。 そんな印象でした。 久しぶりのハンガリー映画でした。 ストーリーは違うが「心と体と」と同じように画面にひんやりとした空気感があった。 大きな山場があるわけではないが、50万人以上のホロコーストの犠牲者の遺族側……つまり残された者の内に秘めた悲しみや覚悟は伝わってきました。