
星ゆたか

Unlock Your Heart
Avg 3.4
2022.8.2 『三月生まれは変わった人が多い』 ウウン 何だぁ そおぉ? スマホの時代に敢えて端正な声で、 読まれる“恋ぶみ”ってかい。 物語の主人公達と同じ17歳の時に、綿矢りさの原作(2012年作)に出逢い、以来“この映画を撮るために監督になった”という首藤凛(95年生まれ)による作品。 撮影が私の地元で行われたというが。 あまり気づかなかったなぁ。 でも、もう一回見直してみたら 『あぁ あそこで撮ったんだと‥』 山田杏奈さん演じる愛という少女を中心に、糖尿病の美雪と二人で好きな少年たとえを巡っての青春ムービー。 最初愛ちゃんはどういう人?って、惑わされる。糖尿病の美雪がダンスの練習後失神するや口移しでジュースを与えての看護ぶり。好きなたとえ君が恋ぶみらしきものを読んでいたら、夜中にその恋ぶみの保管棚を物色するために一人学校に忍びこんだり。また美雪に接近友達になったと思ったら、レズまがりの行為に発展したり。多分これは二人の女の子の思いがたとえ君と肉体的に発展しないので女二人の中で高まった上の行為。でもそのたとえ君と上手くいかないと気づいたらあっさり、もういいと二人との友達関係も解消しようとしたり。 この年頃の多感な言動の揺れを学校でも、自分の時間でも思ったら直ぐ行動に起こし周囲を戸惑わせる。 演じた山田さんも愛に共感できず苦労したとか。 それに比べれば美雪のたとえとの純愛は、もう古典的で。 美雪は自身の病気のために人のために生きようと思ったというし。たとえもそんな美雪の優しい所が気にいっていて、愛の自分勝手な求愛を退き、大学に受かったら美雪と一緒に東京で生きていこうと決めている。 映画ではこの三人のそれぞれ片親の描写があるが、今一つ型通りで面白くない。 愛の母親はお菓子作りに一生懸命、学校での娘の自分勝手で精神不安程な言動に気づいていない。娘の成績も悪くないので任せぱっなし。 美雪の母親も病気の心配も長期戦なので、日々の安定した暮らしを重んじ、それ以外はあまり深入りしてない。 一番分からないのが、たとえの父親。他人への人当たりはいいが実は息子には、高圧的で進路についても手放しで大学の上京を許してないようだ。そういう家庭内の雰囲気のためか、あの美雪からの恋ぶみを自宅でなく、たとえ君は学校の自分の保管棚に袋に入れて閉まっておくのだ。なんでだろうか? 不思議だ。この父親の分からなさを自分のことのように感じてか、愛ちゃんが一発たとえの父親をぶん殴る場面は、それまでの消化不良気味な鑑賞気分を幾分解消させた。 また文化祭のために作られた紙鶴の桜の木の飾られた教室はとても綺麗! ごく自然にこの年代の良質な素直な美点のいい所が形作られた感じだ。