Comment
ミロス・フォアマンの映画には、監督の目たる「傍観者」が必ずいると思う。 はっきりとそれが解るのは、「カッコーの巣の上で」のチーフと、「アマデウス」のサリエリであろう。 本作もゴヤがそれであって、ドラマの主人公はロレンゾとイネスである。この二人の演技がすごいと思った。 バルデムは、時代の流れの中で「変遷」し、「適応」するのであるが、ラストでは・・・という変に屈折した役であり、それがまた非常に説得力がある。この後の「ノー・カントリー」では感情の無い殺人鬼を演ずるのだが、その幅の広さに脱帽。 ポートマンは汚れ役だ。「レオン」のマチルダ、「SW」でのアミダラを演じた正真正銘の美少女が、悪役ではなく、見事な「汚れ」を演じている。これもまた、幅の広さに脱帽してしまった。
2 likes0 replies