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かわいそうなT3 2が完璧過ぎてハードルが高かったし、生みの親であるキャメロンの意に反して制作されたとしても、脚本が良ければ違っただろう。結局は[続編を作る]ことが最大の目的であり、描くべき[魂]に欠けていた。ジョン・コナーはのび太のごとく残念な仕上がりになってるし、T-1000以上の高性能であるというT-Xはめっぽうキュートで全く怖くない。シュワルツェネッガー扮するT-850(微妙にアップデートしてるんだと)も相変わらず同じ格好でサングラスまで型にこだわってる。姿形も同じで趣味まで一緒なのか…ここまで同じだったらターミネーターが人間の偽装をする意味無い!なんて意地悪を言いたくなります。要はコメディなんですよね。アクションとかも派手で楽しい映画なんですが…美味い酒を飲みに行ってジュースを出されたような気分です。笑いながら観てて心の中で泣いてる自分もいるわけで、なんとも複雑です。 ターミネーターが変わったのは、世の中が変わったという原因が大きい。2が製作された1990年代は20世紀末に漂う終末観が皆の心の片隅にあったと思う。(ノストラなにがし の1999大予言なんてのも日本だけで騒がれていた)最終戦争が起こるかもしれないという説得力が半端なくあった時代の映画だったわけです。 そして2003年、新世紀のT3。終末は無かったが2001年の同時多発テロにより世界は大変なショックを受けていた。まだまだ傷は生々しかったのです。ショックな現実の前では映画が描く世界的危機は単なる絵空事でしか無く…笑って楽しめる娯楽作になるしか無かったのでしょう。深刻を描くには時代が辛すぎた。 楽しいけど何か物足りないT3は早い段階で[無かった]ことにされました。 自分の中で評価は低いけど、嫌いな映画ではありません。劇場に2回観に行ったし。 T2の周りに人集りが出来ていたら私はT3の列に並びたい。そんな映画です。
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