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April's Daughter
Avg 3.2
原題はスペイン語で「Las hijas de Abril」。 「アブリルの娘たち」の意味。 メキシコの新鋭ミシェル・フランコ監督の作品です。 実はこの前観た「ニューオーダー」をまだ引きずっているけど、やはり観たい彼の作品。 『ある終焉』のティム・ロスが製作総指揮とはなかなかですね。 メキシコのリゾート地バジャルタの海沿いの別荘に姉妹で暮らすクララとバレリア。 17歳の妹バレリアは同い年のマテオの子を妊娠中。 離れて暮らす母親アブリルに連絡するクララだった。 若い2人を心配してやってきた(と、思われる)アブリル。 しかし出産、育児に慣れないバレリアから産まれた子カレンを独占するようになる…そんなストーリーです。 ミシェル・フランコ作品の不穏さや衝撃に慣れているとそこまでは強烈なインパクトはなかった。 最後までなにか起こるのでは、と考えすぎたのかも。 それでもそれぞれの登場人物の行動を観ているだけで意味深な感じはあった。 朝からあえぎ声を上げてセックス三昧のバレリアとマテオ。 すぐそばで無表情で食事の用意やシーツの片付けをする姉のクララ。 2人は異父姉妹で性格も違う。 バレリアの妊娠を知らされてやってきた母アブリル。 (アルモドバル監督の『ジュリエッタ』のエマ・スアレスだった。) 母アブリルも17歳で子どもを産んだと言うが、元夫とは別れている。 アブリルの過去の背景はわからないが子どもを放っておいて好きな人生を送ってきたような印象。 17歳同士のカップルの経験不足な生活は確かに危ういと思うが、そこに干渉して暴走するアブリル。 勝手に養子縁手続きと見せかけてやっていることは乳児の誘拐にならないのか。 その上、マテオまで自分のものにするのはおぞましい。 (若いマテオもバカだからアブリルの言うままにするし、困ったらホテル経営の実家に戻ればいい甘ちゃんだった) 最初は自由気ままに生きていたバレリアが娘を失いショックを受けて、そこから母やマテオを探し歩いてたどり着いた結末。 最後にカレンを胸に抱きながらマテオをまいて逃げ、タクシーに乗り込んだ表情がグッと来た。 お馴染みの無音のクレジット。 今回、一番ショックだったのは泣き叫ぶカレンをカフェに置き去りにするアブリルのシーンだった。 ほとんど泣きっぱなしの乳児の姿が痛々しい。 まだ若いバレリアの今後の人生は甘くないと思うが頑張ってほしい。 そして母アブリルに支配されていたクララの今後も気になる。 アブリルは何が欲しかったのか。 娘の幸せを取り上げるようにカレンを奪い、娘の恋人まで奪う。 若い妻と幸せそうに暮らす元夫に対する復讐心もあるだろう。 人のものを奪いたがる女っているけど、さすがミシェル・フランコ作品だった。