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シーン毎に衣装をチェンジし登場する綾瀬はるかがとにかく可愛らしく、見ているだけで飽きないと思う方もいらっしゃるのでは。このファンタジー世界から来た艶やかなヒロインに加え、昭和35年の映画製作所を舞台にする組み合わせがえげつないレベルで心地よく、邦画ならではの「悲劇が起きると突然雨が降り、登場人物が走り出す」という陳腐なシーンすら情感豊かに見えるのが面白かったです。 一方でお話の中でキーポイントとなるべき「色がつく・つかない」問題があまりに中途半端に処理されている点や、ヒロインの秘密がこれまでのストーリーと何の関係もない点など、ファンタジー世界に埋没しすぎて興醒めする瞬間もチラホラ見られ、もったいない限りです。 しかしそれらの矛盾点が、映画の後半をありがちなハッピーエンドのラブコメから壮大な純愛の物語へ転化させるためにやむ得ない判断だったのだと知ると、後味の良さもあいまって「許す!」と寛大な気持ちにさせられるのでした。 脚本自体は粗多めなんですけれど、「映画を描く映画」というだけで採点基準がグッと甘くなってしまうのが、映画好きの駄目なところですね。
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