
ジュネ
3.0

After the Wedding
Movies ・ 2019
Avg 3.1
直近で劇場公開された新作をレビュー、今回取り上げるのは『秘密への招待状』。スサンネ・ビア監督の『アフターウェディング』のリメイクとなる家族ドラマです。 ------------------------------------------------------------ ストーリーの中心はジュリアン・ムーア演ずる大金持ちが何故ミシェル・ウィリアムズをわざわざ引っ張り出してきたのか、その真意は何なのかをミステリアスに描いていく…ことができれば良かったんですが。ミステリ色は極めて薄いですし、気になる描写に目を止めれば予想も難しくはないため、イマイチ牽引力に欠けるお話になってしまいました。 ------------------------------------------------------------ 全て知ってから考えると、ジュリアン・ムーアのやってることは「金で人の人生を買う」最低の行為で、どんな理由があるにせよ共感はしにくいでしょう。恐らくリメイク元の『アフターウェディング』はスサンネ・ビア監督の繊細なタッチで人間模様の複雑さを描き出せていたから、高い評価を受けたのだと思います。しかし本作の場合はそれが上手くいってるとは言い難く、何かにつけて「ド派手」なんですね。 ------------------------------------------------------------ 例えば2人の生活の格差を冒頭からいきなりドローンカメラの空撮で迫力出して撮ってますし、舞台を華の都ニューヨークに移し、白人がオーバーなリアクション全開で演技するもんだから、全体に金持ちの「ヤダみ」が強調されてしまってます。ミシェル・ウィリアムズの発展途上国での暮らしぶりも掘り下げることなく断片的に描かれるのみで、「とりあえず触れときました」感が凄い。 ------------------------------------------------------------ 唯一、本当の親と育ての親が異なる2人のこれからの関係性を、庭で偶然拾った巣の卵に暗喩するシーンだけは見事でした。