
cocoa

A Fantastic Woman
Avg 3.2
原題は「Una Mujer Fantastica」。 スペイン語で素晴らしい女性 の意味。 邦題の「ナチュラル・ウーマン」も「そのままの女(わたし)」を意味する。 そしてあのアレサ・フランクリンの歌のタイトルでもあります。 チリ、サンチァゴが舞台。 クラブで歌うマリーナはトランスジェンダー。 かなり年上の恋人、オルランドと幸せに暮らしている。 ある夜、一緒にいたオルランドが急死。 愛する人を失ったマリーナは周りから差別や激しい偏見を受ける。 オルランドとの最後の別れもさせてもらえないマリーナ。 彼女の決意とは……そんなストーリーです。 この作品は第90回のアカデミー賞外国映画賞でオスカーを獲得。 さらに実際もトランスジェンダーの歌手であるダニエラ・ヴェガが演じているので説得力がありました。 今でこそ少しずつ多様性に理解が出てきた世の中だが、チリの法律がどうなのかはわからない。 マリーナは女性として生きていて、オルランドに愛されていた。 そのオルランドの急死後、女性刑事に威圧的に取り調べを受け、さらに屈辱的な身体検査と撮影までされる。 オルランドの元妻や息子ブルーノにまで激しい言葉で責められる。 神話に出てくる怪物「キマイラ」のようだ、とか。 息子ブルーノに「男か、女か、どっちだ?!」と聞かれたマリーナは「人間よ」と答えるけど、彼女に起こる偏見や差別の酷さには何とも言えなかった。 マリーナは何を言われても、拉致され暴行を受けても耐えていた。 それは今までも理不尽な事が多かったのだと思う。 心に抱えた苦しみは時にボクシングのパンチングで気持ちを晴らすだけ。 それでもオルランドと共に愛した犬のディアブラを取り返す時は果敢だった。 オルランドが残した謎の鍵。 サウナのロッカーで何も残っていなかったのを見たマリーナ。 さらに火葬直前のオルランドに会えた事が、マリーナの気持ちの新たな出発になったのだと思った。 法の前には何もできず。 あくまでも結婚していないマリーナの立場は弱いということ。 最後の歌曲「オンブラ・マイ・フ♪」を歌うマリーナの毅然とした眼差しや姿がとても良かったです。