
cocoa

84 Charing Cross Road
Avg 3.5
作家ヘレーン・ハンフ著の小説が原作。 アメリカに暮らす貧乏な女流作家へレーヌ(アン・バンクロフト)。 英国文学が好きな彼女は地元にない書籍を遠く英国ロンドンの古書店に頼む。 その古書店のフランク(アンソニー・ホプキンス)は本と共に書簡も同封。 こうして始まった文通のようなやり取りは1949年から1969年にかけての20年間も続いたそうだ。 そんな手紙のやり取りでふれあうへレーヌとフランク、そして古書店の従業員を描いたストーリーです。 1986年制作だからみんなお若い。 それでもアンソニー・ホプキンスは英国紳士そのもので静かな温かみのある男性がとても似合っている。 彼の妻ノーラ役はジュディ・デンチ。 お二方の声や話し方はいつもすぐにわかるがイギリス英語が心地よかった。 一方のへレーヌは飾り気のない売れない小説家。 皮肉屋なところもあり、古書店のフランクに対しても皮肉や怒りの手紙も出す。 それでも時代が配給制で大変なロンドンの情勢を知って、ハムやその他食料…(全て缶詰め)を送って古書店の従業員にも感謝される。 (粉末卵ってどんなのだろうか) ストーリーは特別大きな展開はないけれど、当時のロンドンの情勢などが映るのが興味深い。 エリザベス女王の戴冠式を見て「GOD SAVE THE QUEEN ♪」に合わせて起立して聞き入るフランクや店の人々。 ビートルズやサッカーチーム「ホットスパー」…(トッテナムのこと)の話題も面白い。 こうして20年を経てやっとロンドンを訪ねるへレーヌ。 そこにはフランクはすでにいなくて、店の中の書物も全て無くなっていたのです。 結局会えなかった2人だけど往復書簡のやり取りはとても思い出深いもの。 だからへレーヌはこの事を小説を書けたのだろう。 英国紳士のフランクとちょっとガサツなところもあるへレーヌが会えたらどうだったかな。 きっとアンソニー・ホプキンスが静かに温かく迎え入れてくれたはず。 市井の人間の生涯はこうして淡々と過ぎていくもの。 そんな事を感じた心温まる一本でした。