
ジュネ

Columbus
Avg 3.3
2020年66本目は、小津安二郎に大きな影響を受けたと語るコゴナダ監督の長篇デビュー作『コロンバス』。 ------------------------------------------------------------ コゴナダ監督は「カメラアングル」や「画面構成」に強いこだわりを持っており、彼のホームページでは是枝和裕、イングマール・ベルイマン、ゴダールなど様々な映画監督のテクニックを解説したビデオエッセイが公開されています。本作はそんな彼の探求心を体現する一作になっていて、最初から最後までとにかく「美しい」の一言です。 ------------------------------------------------------------ コロンバスの街中に存在する図書館・橋・銀行など数々の美麗なモダニズム建築が、完璧に計算し尽くされた構図で次々と映し出されます。主人公2人はヘビースモーカーで毎度タバコをふかしてはポイ捨て。今の時代誉められた行為ではないのに、彼らがフーッと吐き出した紫煙が画面上に漂っているのを見ると、物憂げに立ち込める霧のようでめちゃくちゃオシャレに見えてしまいます。 ------------------------------------------------------------ 「鏡面」や「ショーウィンドウ」を使って登場人物を反転させるテクニックも多用されていて、どれも非常に印象的です。始まってすぐ、ジンの父親と助手のエレナが雨の降る公園に立つシーンがあるんですが、このときに赤い傘を持ったエレナが「水たまり」に反射して綺麗なシンメトリーを作り出します。もうこの時点で私の心はかなり鷲掴みにされており、その後も全く退屈する隙がありませんでした。 ------------------------------------------------------------ ジンとケイシーは、人種も生まれも育ちも年齢も性別もまるで違う「対照的」な2人です。しかし共に語り会う中で彼らの間に何にも変えられない絆ができていき、実は2人が「対称的」だったことが分かるんですね。美しいシンメトリーの構図に「人と人との関わり」そのものが象徴されていて、ため息の出てしまう秀作でした。