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原題は「ST.VINCENT/聖ヴィンセント」。 キリスト教文化に縁遠い日本だからこそ、この邦題になったんだろうけど「教えてくれたこと」だと、この映画の本質までは捉えてない表層的な印象。 原題のままでいいのに。 隣に越してきたひょろひょろもやしっ子オリバーの子守をする事になった不良中年親父ヴィンセント。 人が嫌いで、毎日酒浸り、ギャンブルで借金まみれ、お付き合いしてるのは売春婦という、ロクでもないヴィンセントとオリバーの交流が実に小気味良い。 子どもをバーや競馬場に連れ回して、やる事なす事ロクでもないけど、オリバーはヴィンセントに真の優しさと気高さを見出していく。 オリバーの最後の台詞が痺れます。 「ヴィンセントは欠点ばかりです。 でも、どの聖人にも欠点はありました。 結局のところ聖人とは人間そのものだから」 人間、見た目じゃない。 風貌が悪くても言葉遣いが悪くても、その本質が大事だという話。 何せ、ビル・マーレイと子役のジェイデン・リーベラーの掛け合いが面白いし、ナオミ・ワッツも「誰これ?」っていうぐらい崩した役作りでいい。 笑って最後にほっこり泣ける。
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