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前後編で、尺は300分という大作であるが、描かれているのはせいぜい1年である。 何故このように長尺になったのかは明白で、主人公の家庭事情、初恋の相手の家庭事情を、全く同等に相当濃く描き、さらには将棋のライバルのエピソードを、これまたご丁寧に描いているからだ。 要するに詰め込みすぎなのだが、どれもこれも重要であることは間違いなく、そう考えると映画では無くドラマ向きの原作なのであろう。 残念なのは、せっかくの将棋映画であるのに、その将棋のレクチャーが全くないところである。まあ、そこまでやれば400分を優に超えることになるので、確信的にそれを避けたのであろう。邦画の過去作を僻撤すると、この種の映画でレクチャーを付随したものは、一様に評価が高いだけに惜しかった気がする。 映画的には、主人公の神木君の達者さもさることながら、ワキの女優陣の素晴らしさに喝采を送りたい。 特に、倉科カナ、清原果耶には、日本女性の最も美しいところが表出されていて面目躍如たる思いを持った。
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