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cocoa

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1 year ago

4.0


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The Teachers' Lounge

Movies ・ 2023

Avg 3.5

原題はドイツ語で「Das Lehrerzimmer」。 「職員室」の意味です。 平凡な邦題からは想像できない、終始 緊張を強いられる教育現場を描いたストーリーです。 まだ若い教師カーラ・ノヴァク(レオニー・ベネシュ)は赴任してきたばかり。 理想を持ち、生徒を想う気持ちも強く頑張っている。 そんな時にクラスで盗難事件が起き、同僚の先生たちによる犯人捜しに疑問を持つカーラ。 職員室である教師が共有のコーヒーを飲む時の料金箱から小銭をくすねているのを見る。 カーラはパソコンの撮影モードをオンにしたまま、財布を入れたジャケットを椅子にかけておく。 案の定、カメラに映っていた事務員の特徴のあるデザインのシャツ。 お金もなくなり、この事から事態は大事になっていく…。 とにかく最初から緊張が途切れなかった。 カーラのお金を盗んだと思われる事務員クーンは激しく反発。 さらにクーンの息子オスカーはカーラの教え子。 母親に対する学校側の扱いに反発していくのです。 毎朝クラスに行って手拍子の合図で担任カーラに注目する儀式。 ドイツでもそんなやり方をするのか…と思ったら、後から生徒に… 「朝の儀式は先生のためにやっていた。 あんなの一年生だよ!」と反発される。 カーラのクラスは満12歳の7年生。 それでなくても自我が目覚め難しい年頃になる。 さらに生徒たちは移民も多く、様々な事情がある。 そしてカーラ自身もポーランド系の移民でポーランド語は避けてドイツ語で話すことに徹底している。 盗難事件が起きた時に校長は「ゼロ・トレランス」いわゆる不寛容方式を取り入れていると言う。 つまり小さな事柄でもしっかり罰則をもうけて対処する事を徹底しているのです。 学校と言う組織の秩序を守るために必要と考えられているゼロ・トレランス方式。 カーラはまだそこに違和感を持ってしまうのは仕方ないのかも。 ドイツでもとにかく教師の仕事のストレスは半端ない。 カーラはクラスのみんなを守ろうとするがうまくいかない。 成績優秀でいつも財布を持たない(持てない事情?)オスカーを守ろうとするが、オスカーから激しく反発を受けるカーラ。 正式にママに謝らないなら後悔するよ!と脅迫するオスカーの姿に圧倒されてしまう。 最後は結局 警察によって連れていかれるオスカー。 玉座のように座ったまま連れていかれるラストシーンは意味深だった。 もう少しはっきりとした決着が見たかったとは思う。 でも、カーラの周りの学校組織や多種民族の保護者たちの対応の難しさ。 さらに学校新聞でも「移民の生徒が犯人扱いされた!」などスクープを書かれ、改めて閉鎖的な教育現場の辛さも感じた。 監督のイルケル・チャタク氏も両親はトルコからの移民。 自身の多くの経験から作られたこの作品の意味はとても大きいと感じた。 カーラが教室で子どもたちと一緒に大声で叫ぶシーンが良かった。 吐き出したい気持ちを一瞬みんなで叫ぶのは意味があるし私もやりたくなった。 カーラをひたすら追うカメラワークと最後の音楽も効いていたと思う。