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私にはあまり馴染みがなくて気付かなかったが、中盤まで観てようやく気付いた、これは一種のホラー映画だ。 最初はよくある報道人がスクープと真実を追って、凶悪と戦う、そんな映画だと思っていた。その中に恋愛や挫折を入れた劇的な映画になるのを期待してこの映画を借りた。 冒頭は新しい局長が赴任して、その局長の鋭い観察力で皆が見逃していた教会の児童虐待ネタを見逃さずに掴む。 中盤から記者達がのめり込んでいくように私もこの映画にのめり込んでいく感覚を味わった。彼らが調べていたのはただの事件ではなく、被害と隣り合わせの生活をしていたという自分達の事件に変わっていく。 最後にその記事が完成し、報道されたあとの会社にはたくさんの被害者の電話があった……というので終わるのだが、最後のスタッフロールで流れてくるものに私はぞっとさせられた。 この映画全体はほとんど音楽という音楽はあまりなく、ひたすらに沈むような静かな曲が流れていて、その上過度な演出はないのだが、そのおかげで頭や心に余裕が出来、映画の中で端々に出てくる宗教感がうっすらと理解できた。その理解できたときに最後のスタッフロールはホラーと言っても過言ではない恐怖を知らせてくれるだろうと思う。 自分がこんなに恐怖を感じているのにアメリカに住んでいる人はどれ程の恐怖か、想像するだけで身震いさせられる。 報道人の活躍をみたい方にもメッセージ性があるというと安っぽくなるが、なんだろうがっつり「映画」をみたい人にもおすすめしますよ。
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