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【何もしたくなくなる映画】 童心に強制的に帰らされるリアルプーさん達の可愛さ。「“何もしない”に忙しい」映画の台詞そのまま、何もしない幸せにどっぷり浸かる、現代人への癒し効果満点映画。 ◆概要 A・A・ミルン原作「くまのプーさん」初の実写映画化。出演は「スター・ウォーズ」シリーズのユアン・マクレガーなど。監督は「ネバーランド」のマーク・フォースター。 ◆ストーリー 「100歳になっても、きみのことは絶対に忘れない」そう言ってプーと別れた少年クリストファー・ロビン。大人になり多忙な日々を送る彼は、家族との約束も守ることができず、思い悩む。そこにかつての親友プーが現れ……。忘れていた大切なものを思い出していくファンタジードラマ。 ◆感想 頭をゼロにして楽しめる映画。変な細工もなければ心臓に悪い劇的な展開もなく、純粋に“くまのプーさん”の世界観に浸れる。 “おつむの小さい”プーさん達との噛み合ってるような噛み合ってないような会話が超脱力系で癒される。「大事な仕事がある」「それは風船より大事なの?」のれんに腕押しな会話が延々と続く様は、なんだか日々忙しくしている自分も自然にデトックスされていくような感覚。 実写化モノはもはやゴマンとある中、そのCGの違和感のなさはもちろん、激しい動きをせず、やたらと人間に抱かれているプーさん達の“リアルぬいぐるみ感”は他のものより突出してるかもしれない。家にある自分のぬいぐるみが動く錯覚に、最も陥りやすい映画と言えるのでは笑。ぬいぐるみは残念ながら持っていないけど、家でぬいぐるみと毛布にくるまってゆっくり見たいほっこり映画だと思う。 ◆以下ネタバレ◆ “何もしない”のセリフが何度登場したことか。“何もしない”で忙しい、そしてそれが幸せと話すプーや、エンドロールの差し込み映像にまで登場するそのフレーズが、この映画のゆるふわメッセージ。仕事の忙しさで家族を置き去りにしてしまうクリストファー、そして見る側の現代人に、人生にひと息つく事で、逆に視界が広がることをゆるっとふわっと訴えていると思う。同時に、草原で肩を寄せ合うクリストファーとプーの絆も、童心に帰ることで心のトゲを抜くと言うか、人に優しくなれるような、心温まるメッセージ。ハートフィールドに向かう道中では煩わしかった“目に見えたものを言うゲーム”を、帰りの電車で周りの目も気にせず楽しむクリストファーが微笑ましかった。 多分見る前後で自分の気持ちの脱力感がいい意味でガラッと変わった映画でした。 最後にこちらの動画をご紹介。英語ですけど。 https://front-row.jp/_ct/17205674 プーが俳優として、ユアンからインタビューされる設定の告知動画で、「劇中のキャラクターと似ている所は?」の問いに「誰と似ているの?僕と?質問なんだっけ?今ランチのことを考えていたよ」と天然ぶりをさく裂します笑
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