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Wisteria

Wisteria

5 years ago

4.0


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American Psycho

Movies ・ 2000

Avg 3.3

Aug 30, 2020.

肥大した承認欲求に呑み込まれたエリート男が次々と人を殺す話。 と、思って見たらこんなメッセージ性の強い作品だったとは。 事前知識なしで見て良かった。 とにかく人と話したくなる映画だった。 正直見終わった直後はすごくモヤモヤするし、なんだこのつまらない映画は……と思ったものの、色々と考えたり調べたりするうちに少しずつこの作品の本質を理解しはじめ、もう一度見なければと思うほどに。 考えれば考えるほど評価が上がる。 しかも何がスゴいって、SNSが発達した承認欲求に溢れる現代においては、公開当初よりもより普遍的に通用するメッセージになっていて、今だからこそ鑑賞する価値が大いにある。 以下、ネタバレありです。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ この映画の解釈は色々とある。 殺人は一切しておらず、ただの妄想だったという解釈。 一部の殺人は事実で、妄想も入り交じっているという解釈など。 個人的には、後者がしっくりきた。 少なくともアレン(と思っている人物)については、間違いなく殺したと思う。 遺体を確認するためにマンションを訪れると遺体はなかったというシーンがあるが、そこでの不動産屋の発言は妄想であることを示唆するにしてはあまりに不可解で違和感を覚えるものだった。 その発言を紐解いた解説をネットで見つけるとすごく腑に落ちた。 なるほど、不動産屋のエゴなんかもあるわけか。 一方で、事件当日、主人公にアリバイがあったことやその後アレンと食事をしたという弁護士の話から考えると、アレンの生存はほぼ間違いない。 そうするとアレンでない誰かを殺したということになるわけだ。 その誰かとは何者なのか。 それは弁護士が主人公の名前を間違える等、他者に興味がないエリート世界を表現した本作においては些末なこと。 そんなところにも、肥大した承認欲求を嘲笑う作り手のメッセージが色濃く反映されているように思う。 うーん、とにかく深い、深すぎる作品だ……。