Comment
cocoa

cocoa

5 years ago

3.5


content

Runway

Movies ・ 2020

Avg 3.3

今は亡き歌人の萩原慎一郎さんの歌集を原作に作られた「滑走路」を観ました。 歌集は未読ですが、桑村さや香さんの作り上げた脚本は最後まで引き込まれました。 (登場人物を名前だけ、姓だけで繰り広げる前半は多少混乱もありましたが…) テーマはいじめ。 それは大人になっても心の傷として残り、その人の人生さえも難しいものとしてしまう。 そんな現実を突きつけられて胸が苦しくなります。 14歳、中学2年生の学級委員長シュンスケは苛められていた同級生 裕翔(ユウト)を助ける。 しかし今度は自分が苛められてしまい地獄のような毎日に。 そして同じクラスの翠(みどり)は絵を通してシュンスケと親しくなる。 この3人がそれぞれ主人公のような位置ですが14歳の3人と、25歳のユウトと37歳の翠を描きながら過去を回想して進みます。 (シュンスケの人生は25歳で途絶えてしまうのが悲しい。) 子どもを失ってしまう母親の気持ちも痛々しい。 ずっとビデオの幼い息子を見て苦しむシングルマザーの母親(坂井真紀)。 厚労省の若手官僚になった鷹野ユウトが謝罪に来た時の母親の言葉が胸につまる。 あの時 中2だった3人はそれぞれ人生を進んでいるが、そこにシュンスケの姿が消えてしまうのが辛い。 受験の失敗とか失恋とかあったと言うが、一番の理由はいじめられた過去だと言うこと。 非正規雇用で生きてきたシュンスケの苦しみはいじめた側には絶対にわからない。 中2の時に転校する翠を追いかけてちゃんと言葉を交わせたシュンスケ。 飛行機雲を見上げて将来の夢を話せた2人なのに、その後のシュンスケの自死と言う選択がただ苦しかった。 どんな社会にもいじめはあるし、なくなることはないが、被害者だけが一生背負うのは不公平だとつくづく思う内容でした。