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ジュネ

ジュネ

5 years ago

3.0


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Beasts Clawing at Straws

Movies ・ 2018

Avg 3.4

直近で劇場公開された新作をレビュー、今回取り上げるのは『藁にもすがる獣たち』。曽根圭介の日本で出版された小説をもとにしています。 ------------------------------------------------------------ ひとつの大金がつまったバッグをめぐり多数のキャラクターが絡み合う群像劇となっていて、最初は無関係に見えた彼らが、後半意外な形で交わっていきます。一番無害に見える人物があっけなく殺されてしまう一方、強欲で利己的な人物はどこまでもしぶとく立ち回り、非常に「意地の悪い」展開です。欲の強さは生命力に通ずるとでも言いたげで、特にチョン・ドヨン演じるヨンヒは強烈。 ------------------------------------------------------------ ヨンヒが登場して以降は物語が明らかに1段階ギアを上げて加速し始めます。そんな悪党どもの中で唯一、根っからの悪人ではなく、観客がもっとも感情移入しやすいキャラクターなのがぺ・ソンウ演じるジュンマンでしょう。その「小市民ぶり」は見事なもので、共感できない奴らの潰し合いのさなか、一服の清涼剤としての役割を果たします。ここら辺のバランスの取り方は流石でしたね。 ------------------------------------------------------------ ただ、群像劇のスタイル上どうしても視点はバラけてしまうし、キャラクター1人1人を掘り下げる時間は短くなってしまう。韓国映画の強みは1人の人間の「生きざま」を徹底的に煮詰めて描くところだと思っていて、本作はやっぱり少々満腹感が足りないなぁと感じてしまいました。結末もそこまで意外ではないし、よくあるジャンル映画の中の1本になってしまっています。