Comment
面白かった。ブラックコメディなんだね。そんなこととは露知らず、なかなか衝撃を受けた。 この時代にこんなパンチの効いた作品を上映して、色んな人を敵に回したんじゃないかと、心配になってしまうが、さすが自由の国アメリカ、批判よりも称賛の声の方が大きかったようですね。 最後の『また会いましょう』が流れる中、核爆発の映像が次々と流れていくのは、自分的には悪趣味すぎて引いてしまったけど。 ピーター・セラーズの演技が面白かった。観ていて気づかなかったが、三役もこなしていたのか。どれも個性的すぎる役で、演じていた本人もさぞ面白かっただろうと思う。 ストレンジラヴ博士は映画史に残る個性派キャラクターだった。特徴的な話し方、車椅子にサングラス、感極まるとナチス時代の敬礼をしてしまう。もう、どれを取っても面白い。でも、頭がいい風にも見えるから不思議だ。 それに対極のマンドレイク大佐。おどおどした演技がまぁ面白い。そうそうなんかこういう人いるよねと思わせる親近感のある憎めないタイプの上司。本当によく演技分けが出来ててすごい。この作品はこの役者あってこその映画だと思う。 とはいえ、役者の演技よりも脚本やらなんやらが高く評価されているし、キューブリックの最高傑作だと謳う人も少なくはない。20世紀最高の風刺映画と評する映画評論家もいるそう。 確かに面白い。観ていて飽きることはないし、魅力的な作品なのはわかるが、やっぱり私は受け付けない。風刺というにはちょっと過激ではない? これを笑えるというのはその時の国民も中々能天気だなぁと思うが、それを言うのは野暮というか、真面目すぎるのか。
9 likes0 replies