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リメイクであるからオリジナルと比較されてしまうのは仕方がないが、それにしても気の毒な点があると思った。 一つは、時代設定がどうなのかと思う。本土屯田兵によるアイヌ部落への迫害を絡めるために、そのような設定なのだろうが、この時代は既に「銃」が主役の時代なのだ。従って、「人斬り」達人の凄さが思ったより表出されない。ラストを「剣」で盛り上げるのであれば、時代は江戸中期以前ではないだろうか。オリジナルのイーストウッドによる、「満を持したガンさばき」の迫力、凄味、業のやるせなさに遠く及ばない。 また、柄本明の人物像が詰まっておらず、愛すべきキャラとしての「泣き」に達していないと思う。これもモーガン・フリーマンに大きく溝を空けられた感がある。 更に、佐藤浩市とジーン・ハックマンでは、役者の格というか、悪役としてのオーラが違いすぎるのもマイナス。 ただ、それでも全体的には完成度は高いと思うし、ラストも悪くない。忽那汐里や小池栄子といった女優陣は、オリジナルよりはよほど魅力的に描かれているのも確かであると思う。 従って、この物語を観たいというならオリジナルを観るべきであるが、それは知らないというのであれば、これはこれで十分に満足できる映画ではあると思う。
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